へき地医療 医師不足は最前線診療所より地域の中核病院
〔ワタナベ〕
医師のリクルートを各県バラバラでやっておられるのでないか。あるいは離島の首長が飛び回っていたりする。そういうことをしている限り、一度離島に来たら帰れないのでないかと医師の方でも心配になってしまう。もう少し全国的な取り組み、踏み込んだ取り組みが必要でないか
〔内田〕
この10年間の医療費削減と臨床研修でグチャグチャになったことの検証は必要。どう地域で支えていくかという計画を作っているわけだが現実にはヒトもカネもない。さしあたっては補正予算で措置された地域医療再生計画は100分の100補助なのでインパクトもあって使いやすいと思うので、それで賄うことになるだろう。しかし本当は診療報酬で手当てするのが健全だろう。それから無医地域の解消に対して取り組みの進んでいない都道府県もある。地域ごとに温度差がある中で、今日のような先進事例に関する情報発信は必要でないか。
〔中村〕
地域医療支援機構がうまく行っている所と行ってない所と両方とも分析した方がいい。
〔澤田〕
内藤委員が指摘されたように、僻地を支える病院の支援が大事だ。自治体病院では財政的基盤が脆弱なうえに医師不足もある。ここに国からの補助金を処置して今以上に支援していただきたい。今は医師を必死に搾り出してもらっている。そのような病院に代診医の派遣実績に応じたような金銭的援助をしてほしい。
〔鈴川〕
都道府県に何が必要かと尋ねた時と市町村に尋ねた時とで結構な温度差がある。ドクターに尋ねても差があるだろう。そこをうまくまとめていくのに支援機構が機能するのかどうか。
〔前田〕
総務省のガイドラインと中小病院で医師確保をするのと逆行する可能性がある。現場の医師はその政策ギャップに困惑する。何かをする際には整合性を考えるべき。大学の地域枠のことに関して言うと、特別プログラムも必要かもしれないが、それが行き過ぎると地域のことは地域枠に任せればいいんだという方向になりかねない。大学全体の底上げを考えてもらえれば。
〔梶井〕
本日の議論を総括したい。まず医師の育成をどうするか。実は医学部教育で地域医療が必修になった。モデルコアカリキュラムに入った。だから医師育成のチャンスも出てくる。地域枠の学生がどう進むかはこれからだが、各県がどう育てているのかはデータとして見せてもらって議論してもよいかなと思った。
支援機構の強化が必要でないか、都道府県格差があるのでないかとの意見があった。これも議論していきたい。休業補償の件もこの話だろうか。
キャリアパスの話として、安心して勤務生活できるシステムが大事。継続性について従来はずっと働き続けるという前提だったが、短期間でもうまくパスして集団としての継続性を探るということもあるだろう。これも議論していきたい。
僻地の病院を面として考えないといけないのでないかという意見、歯科診療ネットワークをという意見、医師のリクルート・支援体制を市町村では無理、都道府県でも難しいから全国的な取り組みとしてどう位置づけていくかということもテーマになるだろう。もちろん今後新たなテーマが出てくれば、随時議論していきたい。