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医学部長病院長会議、新政権向け要望まとめる

 全国医学部長病院長会議が11日、新政権に対する要望として、旧政府に対して要望してきた事柄を9項目にとりまとめた形で発表した。「特に新しい項目はない」(小川彰会長)と言いつつも、省令見直しが行われたばかりの医師臨床研修制度なども含め医師教育の抜本的改革を求める内容になっている。(川口恭)

要望の文書はこちら。この文書の中身もさることながら、ひな壇に役員が5人も顔をそろえ、しかも全員発言するという珍しい形の記者発表になった。同会議側の新政権に寄せる並々ならぬ期待がうかがえると共に、その発言内容がなかなか面白かったので概要を記す。

--要望する相手は?

小川会長(=岩手医科大学長)
「調整中だが、報道によれば基本政策閣僚委員会というものができるそうなので、そちらの方と総理大臣。さらに3党連立政権なので3党に持っていかないと」

--要望の2項目目の「担保」とは?

嘉山孝正・専門委員会委員長(=山形大学医学部長)
「現在は医学部教育と医師教育とがシームレスでない。国家試験で切れてしまう。その結果、臨床実習の少ない大学もある。我々としては医学部教育の中でプライマリケアまでやってしまいたい。現在6年終了後に厚生労働省が実施している国家試験を、どこかで既に現在行っている全国一斉の試験に切り替えて、4年で座学が終わったら後は実習というようにしたい。そのためには法改正が必要で、そういうことも含めてやってほしいということ。ただし4年時の全国一斉試験が国家試験として認められるようになれば法改正は要らない。それをすれば医学部を卒業した段階で、現在の2年間の臨床研修を終わったのと同じ状態になって、臨床研修が始まった時に2年分の医師が消えたのの逆のことが起きるので、地方の医師不足も解消されるのでないか」

--9項目の中で政権交代したことで特記したものは?

小川
「9項目は連携しているので、どれか一つだけやって他はやらないということだと、むしろ悪い影響を与えかねない。どれか一つを強調するということはない」

--今までの要望に新たに追加したものは?

小川
「追加はない。ずっと言い続けてきたけれど、これまでは認めてもらえなかったことだ。過去、9項目をまとめて出したことはないが、つどつど要望してきた。今回改めてまとめて説明しましょうということ」

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