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出産育児一時金 直前見直しの理由 足立信也政務官


最終的に、どうしても準備が間に合わない施設については、その旨を妊産婦に説明する、窓口にも掲示するということを条件に、導入を半年間猶予こととしてはどうか、その半年間に収入のタイムラグをなくす方策を検討するのでどうか、という判断するに至り、それを29日に大臣が公表しました。

説明は、まずは当事者間でやっていただいて、できるだけ妊婦さんの希望に沿うようにしていただきたいのですが、それでも全部の施設が10月1日開始は不可能でしょうし、そうなれば納得しない妊婦さんも必ず出てくるでしょう。そこで厚生労働省に相談窓口を設置することにしました。どうしても納得してもらえない妊婦さんがいる場合には、代わりに説得することもします。この設置は30日、ついさっき決めてきたところです。電話番号は、記者発表が明日1日の9時半になってます。

話を戻しますと、頑張って10月から導入した施設は運転資金が苦しくなるのは間違いありませんから、それを福祉医療機構が融資するという制度も始まります。これに関してはもっと金利を下げる努力、融資条件緩和の努力を今やっているところです。納得できる融資制度があれば10月導入に踏み切れる施設も増えてくると期待しています。

ただ、そうは言っても、入ってこない2カ月分の収入に課税されて、融資の利息も取られてというのは、あんまりと思います。そういう問題点の検討をする会、もっと別の問題が隠れている可能性もありますから、始めたらそういうのが出てくるかもしれない、そういうものを改善していくための検討委員会を作ります。相談窓口で拾った情報は、直ちに対処すると共に、検討委員会にも上げます。

今回の見直しが医療機関寄りすぎるのでないか、と長妻大臣の記者会見でもかなり突っ込まれました。しかし誤解しないでいただきたいのです。繰り返しになりますが、医療機関が存在できなくなるのは妊婦さんにもマイナスなんです。安心してお産するために大事なんだということをご理解いただきたいと思います。それに、法的なことを言うと、もともと出産分娩は保険診療ではなく、退院時に支払いされるのが当然で来た契約です。その収入を国が強制的に遅らせることになるのは申し訳ない限りです。

検討委員会でも議論してもらわないといけませんが、こんな直前になって課題が表面化した点も検証が必要と思っています。団体に情報を伝えても肝心の現場に情報が伝わってない。そういう情報伝達も今後の厚生労働行政の課題だと考えています。

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