二次救急、「サボっているわけではない」 ─ 厚労省課長
入院が必要な救急患者を受け入れる「二次救急医療機関」のうち救急車を年間1万台以上受け入れる病院がある一方で年間を通じて「ゼロ」という病院もあるため、厚生労働省の医療課長は「サボっている、けしからん救急医療機関というわけではない」としながらも、救急搬送を積極的に受け入れる病院を診療報酬で評価する方針を示している。(新井裕充)
2010年度の診療報酬改定に向け周産期・救急医療について具体的な検討を開始した9月30日の中医協で、厚労省は「二次救急医療機関の状況について」と題する資料を示した。
それによると、1年間に受け入れる1施設当たりの救急搬送の数は最大1万1037、最小0と大きな開きがあった。この結果について厚労省保険局医療課の佐藤敏信課長は次のように述べた。
「最もたくさん受け入れている病院は、1年間に1万1000台を超える救急車を受けている。1日300台から400台を受け入れている、凄い病院がある。そうかと思うと、一応、二次救急医療機関ということで名前を挙げていただいているがゼロという所もある。ただ、ご注意いただきたいのは、二次救急医療機関と看板を挙げていながら全く受け入れていないというだけではなくて、調査上の問題もあり、輪番病院になっていて、1週間に1回とか2回だけ手を上げて当番が回ってくる。たまたま当番になっていた1週間に1回とか2回とかいう時に、救急車が来なかった。その結果、ゼロになったということもあるので、サボっている、けしからん救急医療機関というわけではないので、データの読み方はご注意いただくということでお願いしたい」
佐藤課長はこのように、「データの読み方」に注意を喚起した上で、「しかし、それにしましても、救急車の受け入れが1000台や2000台を超える所から、比較的すそ野が広いグラフになっていて、受け入れが少ない医療機関もある」と指摘。救急搬送を積極的に受け入れる病院を来年度の診療報酬改定で評価する方針を示した。
具体的には、▽地域の搬送・受入ルールに従って救急搬送を積極的に受け入れる医療機関の診療報酬上の評価 ▽救急搬送の受入実績等に応じた診療報酬上の評価─の2点を挙げた。詳しくは次ページを参照。