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ニュース〜医療の今がわかる

国公立病院にメス入れ、適切な対価出る医療システムを 仙谷行政刷新相

 明日から事業仕分けが始まる。医療に対しても大鉈が振るわれるとの事前予測も流れている。担当の仙谷由人大臣は7日の『現場からの医療改革推進協議会』で、医療に対してどのように取り組むかのスタンスを語っていた。ワーキンググループの動きが、整合性の取れたものになるか検証できるよう、あらかじめ記述しておく。(川口恭)

 仙谷氏の発言のうち、先月29日に医療クラスター研究会で述べられたもの(その1、 その2)との重複を省いた主な部分は以下の通り。

「私の担当は行政刷新で、さてどうやって医療に取り組むかと考えておると、都合がいいのか悪いのか分からないが、日本の冠たる国民皆保険というのは、実は公的保険制度というか税金と保険料で賄われている、つまり公的支出になるわけで、また日本の病院というのは、これから問題になるナショナルセンターをはじめ社会保険病院、地域の公立病院その他、公的部門が非常に大きな領域を占めている。反対から言うと、このパブリックセクターの病院を改革をすることなしに日本の医療の改革というのは一歩も二歩も進まない状況に今立ち至っているのでないかという気持ちになっている」

「国立・公立の医療機関、大学病院も含むが、公立であることによって発生しているガバナンスのなさというかモラルハザードというか、これをどうやって改革していくかというのも、一つの大きな問題だなと最近思っている。

そんな所に行政刷新という何でもやれる都合のよいポストが舞い込んできたので、鈴木寛さん(文部科学副大臣)や足立さん(信也・厚生労働大臣政務官)や、何より現場からの改革を考えてきた皆さん方の経験と知恵、まことに素晴らしい力を持っている方々が色々いるので、その方たちの力を借りて、公的部門にメスを入れて日本の医療サプライサイドを改革していくことにチャレンジしようと、そういうことで動いている。

 ただ行政刷新会議の部内では、あなたが医療にまで手を出すとロクなことがない。だからやめておけという声も多いのだが、独立法人改革というのは公益法人改革と共に、私の所管ということになぜかなっているので、ナショナルセンター以下に手出しをしないわけにいかないという話になる。皆さん方の知恵と経験と見識をお借りして、これから日本で国民1人1人がいきいきと輝ける社会、そのど真ん中にあるのは多分医療の世界で、国民も心から医療従事者にありがとうと言いえるそういう医療システムを作り、今のような犠牲と奉仕だけを求めるのではなくて、然るべき適切な対価が出るような医療のシステムを作れるうように頑張ってまいりたい」

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