11月27日の中医協 (ブリーフィング)
■ 基本問題小委員会② ─ 病院勤務医の負担軽減策(論点1)
[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
(資料)「診─2」の病院勤務医の負担軽減策ですが、これは(中医協委員の改選後)今回で3回目(の審議)になります。
○ 論点今回ご議論頂きたかったポイントとしては......(医師が負担を感じる業務にかかわる論点2と3)。
1 病院勤務医の勤務負担軽減のために、医療機関が勤務医の勤務負担状況を把握し、勤務医負担軽減策を作成・周知し、適切な方策を取れるように診療報酬上の工夫を行うことについて、どう考えるか。
2 病院勤務医の勤務負担軽減のために、複数の家族が説明を求めた場合や、患者側の都合による時間外の病状説明について、患者や家族に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
3 病院勤務医の勤務負担軽減のために、軽症の患者が自己都合(仕事等)により救急病院等を時間外に受診した場合について、患者に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
(中医協・検証部会の)21年度調査(の追加)として医療課で調査をしましたので、その中でいろいろとデータがあります。今回、特に重点的にご議論頂こうと思っていたのは、参考資料の14ページ以降(患者や家族との話し合いに費やす時間)です。
(9月に実施した追加調査によると)医師の(負担が大きい)業務の中で、話し合いですね、患者さんやご家族に説明する時間がかなりかかってきている。(参考資料)17ページの「患者さんに強力してほしいことの有無」で、9割近いドクターが「ある」と回答している。その中身は、「軽症の場合は近隣の診療所を受診してほしい」(79.4%)、「軽症の場合は休日・夜間の受診は避けてほしい」(81.1%)。
それから、6割弱がいわゆる「ムンテラ」。米印を付けていますが、(ムンテラとは)患者さんや家族に病状や治療方針等について(説明する)、これはかなり時間をかけたご説明ですが、これについては、「(業務多忙のときは)医師の都合も考慮してもらいたい」ということ。(これらが医師の)3大要望ということです。
これ以外にも、今回は(資料を)付けていませんが、救急の受診で高齢者もお子さんも軽症・中等症がかなり多いという流れも踏まえて、こういう現場の医師の要望と言いますか、勤務実態からいろいろと考えて論点(を示した)。
(論点の)1番は(勤務医の負担を軽減する取り組みを評価する「入院時医学管理加算」の要件緩和の問題で)繰り返しになります。
▼ 論点1に関する意見交換では、「入院時医学管理加算」の要件が地域差を考慮せずに全国一律に設定されたことを問題視する意見が相次いだ。診療側は地域特性を考慮して算定要件を緩和するよう求め、支払側もこれに同意した。ただ、佐藤課長は「診療科の要件が厳しかった」として、地方病院のほうが多く算定できるケースもあると反論した。ブリーフィングの質疑で、佐々木補佐は「入院時医学管理加算」について次のように説明した。
「入院時医学管理加算は(08年度)改定前と現在は違う内容。名前を変えなかったのが誤解の原因だと思っている。同じものでないのだから算定できる範囲が違うのは当たり前。大ざっぱに言うと、以前は二次救急などを評価する点数で、今回(の新しい入院時医学管理加算は)総合的な診療体制を持っている救急応需体制を評価する。ちょっと生まれ変わっている。ですから、現在の入院時医学管理加算の要件を緩めるかどうかという議論もあるが、二次救急の医療機関の努力に報いるような評価を新しくつくるという方法もある」
【目次】
P1 → 総会 ─ 医療機器の保険適用等
P2 → 基本問題小委員会① ─ 特定機能病院
P3 → 基本問題小委員会② ─ 病院勤務医の負担軽減策(論点1)
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 病院勤務医の負担軽減策(論点2・3)
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 明細書等