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新スパコン 医療界も使って 鈴木・文科副大臣 

1216suzukan.JPG 文部科学省の鈴木寛副大臣は16日、癌研究会研究所で開かれた講演会で、この日計画を見直した上で予算の復活が認められた次世代スーパーコンピュータに関して、「皆さんもぜひ使ってほしい。基礎の創薬も考えられるが、それ以上に考えていただきたいのは患者情報のデータマイニング」と、医療界にも開かれたインフラであることを説明した。(川口恭)

 この問題に関する鈴木氏の発言要旨は以下の通り。

「スパコンの計画に関して、管副総理、藤井財務相、仙谷行政刷新相、川端文部科学相の4人で先ほど予算をつけることが決まった。計画の復活ではなく全く新しい概念。事業仕分けという強烈なアンチテーゼが示されたので、それを高速にアウフヘーベンした。

 具体的には、10ペタ級のコンピュータの開発が7ヵ月ほど遅れるのは仕方ないが、基盤整備は来年度に行う。国内に100テラ以上のスパコンが20台くらいある。それをつないでクラウド型にして、今つくりかけの10ペタ級のもいずれそこで重要な役割を果たしていくことにはなるのだが、20台クラウドにして日本中の研究者が使えるようにしようというもの。今までは1000人しか使えなかったが今後は2万人が理論上は使えるようになる。

 その研究コンソーシアムをユーザーの方にも加わっていただき立ち上げる。ゲノムやタンパク構造解析の人にも加わってもらって、むしろ主導していただいて、スペックもこういう研究をしたいからということから演算を想定してこういうスペックがほしいとリクワイアメント出してもらう。そんなことを3年計画くらいでやる。

 癌研の皆さんも、このインフラをぜひ使ってほしい。基礎の創薬とかのこともあるが、ぜひ皆さんに考えていただきたいのは患者情報のデータマイニング。私も慶應SFCでこういうことをやっていたが、データを大量に入れてデータマイニングすると相当のものが出てくる。そもそも電子カルテだって何のためにやるのかというような議論が出ているが、本来はこういうことのために使うためのものであって今は本末転倒のことになっているが、ぜひお使いいただければと思う。

 今回、研究のポイントはいくつかあるが大規模のストレージを作ることになる。そこにどういう膨大なコンテンツ載せていくかが最も重要。理論的には2万人が使えるとしても、そこの上にどれだけ魅力的なデータが載っているか、質と数が重要。様々な医学的・医療的データも載せていくことで役立てていただきたいので、ぜひ皆さんも新しい利用計画を申し込んでいただきたい」

「なお今回の何が画期的だったかというと、今まで文部科学省とは言いつつ、文部省系と科学技術庁系で似たようなものが並立していた。文部省系の東大とか京大とかのスパコンは既につながっていた。ここに科学技術庁系の理研、地球研のスパコンもつなぐ。それだけでなく経済産業省系の産総研のスパコン、環境省系の環境研のスパコンもつなぎ、コンソーシアムを作ってもらって、そこに文部科学省のお金を入れる。そこまでは財務省と握れた」

「民主党の基本発想は、設置主体によって何かを区別するのはやめようということ」

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