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ニュース〜医療の今がわかる

ドラッグ・ラグ解消策で、ドラッグ・ラグが加速? ─ 「薬価維持特例」に難題

■ 「政務三役に説明して了解を得ながら進めていく」 ─ 薬剤管理官
 

[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
 (有識者会議は)まあ、言ってみれば、「これは医療上の必要性が高いので開発すべし」ということの決定を(有識者会議で)していただきます。それを受けて厚生労働省から......、これは医薬食品局(審査管理課)と医政局(研究開発振興課)になりますけれども、そちらのほうから各メーカーのほうにですね、この開発要請をするというプロセスが経られます。

 その開発要請をしたものについては、どれぐらい進捗しているのかということについてのフォローアップを......、ま、たくさんの品目があるような場合は各メーカーに工程表を作ってもらって、それの進捗状況を確認するというような形をやっていってですね、その結果を(中医協に報告する)......。

 「有識者会議」でいろいろな評価をした結果について、中医協に私どものほうからご報告させていただきまして、「どのようなものが実際に要請されて、どのような進捗になっているのか」、「これは十分なレベルにあるのかないのか」、そういったことを中医協では確認する。その前段階の、その部分を「有識者会議」でやるという形になってございます。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大医学部長)]
 私が今......、(薬剤管理官の回答は)全く字面通りで素晴らしいお答えだと思いますけれども......、官僚的な。つまりですね......、官僚だから仕方ないんだ......。

 例えば、漢方が(政府の行政刷新会議の事業仕分けで保険適用から)外されましたよね。あれも「有識者会議」なるもので出た結論で、漢方が保険から外された。

 ▼ その後、日本東洋医学会などが実施した漢方薬の保険適用継続を請願する署名活動で92万人を超える署名が集まったという。最終的に保険適用の継続が決定した。

 実際、漢方薬は医療の現場で非常に使われていて、現代西洋医学で治らないようなものも......。私自身も脳外科で......、脳外科っていうのは西洋医学のまっただ中にあるような学問ですが、効いているものがあります。それが外される......という経験がありますので、いろんな患者団体や学会からの圧力をも跳ね返せるような肝のすわった委員を選ばないと、今のドラッグ・ラグがさらに進むことになるのでよろしくお願いしたい。

 僕は漢方のことで非常に困っているんですよ、実際に。「有識者会議」でね、決めたんでしょうけども。ですから、その辺をいくら言葉面でそういうふうに(優先順位を付けると)言っても、本当にフィージビリティーのある、実現性のある委員を選んでほしい。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、非常に重要なご指摘でありますが、薬剤管理官がお答えできるようなご指摘かどうか分かりませんけれども、非常に重要なご指摘をされていると思います。

 「有識者会議」というのは今、(厚労省の)「未承認薬(使用問題)検討会議」とかいうのが既にあったわけですね。今、それはなくなっているわけですか? 大体、同じような専門分野の方たちが委員になるという、そういうイメージでいのかどうか、ちょっとその「未承認薬(使用問題)検討会議」の話に絡めて......、(説明を)頂けますか。

[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
 はい、薬剤管理官でございます。既に、「未承認薬使用問題検討会議」というのがございます。この「未承認薬使用問題検討会議」の場合はまさしく未承認薬で、適応外薬の問題をやっておりません。

 今回、新たにつくる「有識者会議」というのは、適応外薬についてもしっかりやっていくということが1つ、これまでと違うところでございます。
 人選については医薬食品局、医政局のほうでやってございますけれども、当然、その要望を受けた品目の医療上の必要性が判断できるような方を選ぶということが前提でございますので、その中で、実際に人選が進んでいるものと理解してございます。

 先ほど嘉山委員からお話があったことについても、会長のほうからお話がございましたので、ちゃんと関係の部局にきちっとお伝えしたいと思っております。
 今、私ども厚生労働省のシステムといたしまして、このような会議体をつくる場合には当然、(中医協よりも上位の)政務三役にきちっとご説明をして、ご了解を得ながら進めていくというのが基本でございますので、そのようなプロセスを経て、(中医協の承認を得なくても)きちっとした方が選ばれているものというふうに理解してございます。

 ▼ 政務三役が官僚組織に大胆に切り込めば、医療政策の決定プロセスが変わるかもしれないが......。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、よろしくお願いいたします。ほかにございますか。(中略) 勝村委員、どうぞ。

[勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
 この、仮称の「有識者会議」というのは、当然公開される予定のものかどうか、確認させてください。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 事務局、どうぞ。

[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
 薬剤管理官でございます。私ども、医薬食品局、医政局から聞いておりますのは、「公開でやる会議だ」というふうに聞いてございます。

 ▼ 同会議の下に設置する「専門班会議」(ワーキング・グループ)は非公開だろうか。なお、7つのワーキング・グループの座長候補として名前が挙がっているのは、▽花岡英紀・千葉大医学部付属病院臨床試験部副部長・助教 ▽山本晴子・国立循環器病センター臨床研究開発部臨床試験室長 ▽中林哲夫・国立精神神経センター治験管理室長 ▽金澤實・埼玉医科大呼吸器病センター呼吸器内科教授 ▽安藤正志・国立がんセンター中央病院 ▽中川雅生・滋賀医科大医学部附属病院助教授 ▽中村秀文・国立成育医療センター治験管理室長─の7人。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありがとうございます。勝村委員、よろしいですか? (うなずく) ほかに......、よろしゅうございますか?

 はい、それではご質問がこれ以上特にないようであれば、事務局(医療課)より説明のありました内容につきましては、中医協として承認するということにしたいと思いますけれども、よろしいですか。はい、ありがとうございます。(以下略)

 
 
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【目次】
 P2 → 「平成22年度実施の薬価算定基準等の見直し案」を提示 ─ 厚労省
 P3 → 「ドラッグ・ラグはさらに進む」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P4 → 「本当に有識者かどうか分からないような人もいる」 ─ 嘉山委員
 P5 → 「有識者会議が一体どういうものか説明していただきたい」 ─ 牛丸委員(公益)
 P6 → 「政務三役に説明して了解を得ながら進めていく」 ─ 薬剤管理官

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