医療界は診療報酬改定のフィードバックを―鈴木寛文部科学副大臣
鈴木寛文部科学副大臣は6日、10年ぶりのプラス改定を果たした2010年度診療報酬改定について、「良かったのか悪かったのか、医療現場から何のフィードバックもないので、どういう受け止め方をしているのかつかみかねている」と述べ、医療界が国政に声を上げ続けなければ医療費抑制政策に舞い戻ってしまうと危惧した。(熊田梨恵)
ロハスメディアの取材に対し、今の政治状況について次のように述べた。
「今何が起こっているかというと、『人からコンクリート』への揺り戻し。これはものすごい。自民党が(次期参院選で議席を)伸ばせばここに戻るでしょう。(医療政策について)皆が一段落ついて『このまま進む』と思ったら大間違いで、これはこの5年間、医療現場が声を発し続けて民主党が動かされ、それに国民が賛同した結果。でもまだたかだか一回しか予算編成をやっていなくて、(予算を)切られた側からものすごい反発が来ている。選挙結果次第で民主党が議席を減らしたら、もう一回『人からコンクリートへ』と戻らざるを得ない可能性もある。『行革』の党が増えた場合は、医療費削減や国立病院機構に関する費用の削減があるかもしれない。『人からコンクリート』か、『行革』の徹底か、引き続き現在の路線を続けるか。この3つの事について、意見表明をしてもらわないといけない。医療界の自律的ガバナンスについては、若干の時間の猶予が与えられているだけで、ここは早急に議論が深まらないといけない。医療界がどう考えているのか。4月以降から医療現場、大学病院といった"命の砦"の現場がどうなっているか声が聞こえてこない。我々もこの4月からそこに踏み込んだけども、それについて現場がどういう風な受け止めをしているのかという事をつかみかねている。賛成なのか、反対なのか、不十分なのか、この程度でいいのか、そもそも"処方"が違っていたのか。何のフィードバックもない。一方で、『行革』の話や、『人からコンクリート』への揺り戻しがある。そうすると、この世論情勢だと政治的にはそっちの方に引っ張られてしまう。引き続き、エビデンスとエピソードを持って、国民的議論を醸成していかないといけない」