新生児医療の現状と課題
2009年11月6日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)・診療報酬基本問題小委員会で、東京女子医科大の楠田聡教授が新生児医療について意見を述べた。
厚労省も同様の問題意識を持っているように見えるのだが......(出典:同会議の資料、および議事録)。
【遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授)】
それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第145回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。(中略) まず、関係者ヒアリングについてを議題とさせていただきます。
本日は、その4つの分野からお二人ずつ合計8名の方にお越しいただきました。先生方には、早朝よりありがとうございます。順次御紹介をいたします。(中略)
周産期新生児の分野で、楠田聡先生でいらっしゃいます。東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門教授でいらっしゃいます。よろしくお願いします。
田村正徳埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター長でいらっしゃいます。よろしくお願いします。(中略)
新生児医療に関しまして楠田先生お願いいたします。
【楠田聡氏(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門教授】
よろしくお願いします。私の資料は、その次の新生児医療の現状と課題ということになっておりますので、この資料に沿って説明をさせていただきます。前半はパワーポイントのスライドで、後半は新生児搬送に関する追加資料ということになります。
まず最初に、我々新生児医療をやっている者にとって、周産期医療というのは世間一般で大きく取り上げられることが最近ここのところ多いんですけれども、どういうものがこういう新生児医療をやっているかというのを御存じの方は多いと思うんですけれども、最初に説明させていただいて、それから本題に入りたいと思います。
【目次】
P2 → 周産期医療とは
P3 → 救急医療からみた新生児医療
P4 → 低出生体重児の出生率
P5 → 新生児死亡率と周産期死亡率
P6 → 早産児、低出生体重児、新生児死亡率
P7 → 周産期医療ネットワーク
P8 → 平均寿命と新生児死亡率の関係
P9 → 日本の新生児医療は危機的状況
P10 → NICUが不足している
P11 → NICUが不足する理由
P12 → ハイリスク新生児の増加
P13 → 長期入院児の影響
P14 → 在宅医療が困難な状況
P15 → 稼働していない病床
P16 → NICUの必要数
P17 → 新生児病床を増床する意志
P18 → 新生児病床を拡充する上での障害
P19 → 新生児科医の勤務実態
P20 → 新生児搬送の特殊性
P21 → 小児救急との両立が困難
P22 → NICU運営のバックアップ
P23 → NICUの運営経費と診療報酬
P24 → 新生児科医の待遇改善
P25 → 新生児医療の将来の改善策
P26 → 謝辞