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救急搬送のアンダートリアージなど、データ化へ

   
現場滞在12.JPG搬送基準13.JPG現場滞在14.JPGこれが決まったばかりの実施基準ですが、心肺停止は2次。バイタルで重篤なのは3次救命センターにというのがこの基準です。重度の外傷、熱傷は3次に行くべきというトリアージになります。これだと非常に限定されてくるのですが、そのうち一例のみ時間がかかっていました。それはJCS100で目を開けないという状態でなかなか受け入れられなかったけど、問題はなかった。また、それプラス重症の兆候、なかなか一般病院では診にくいような心血管イベント、吐下血、呼吸困難、急性腹症などですぐ手術しないといけないというような場合が想定されると、何件か時間がかかっているものがあります。これは83歳の呼吸困難の例で、2次病院から転院して挿管されて、という例もあります。こういう例も少しありますが、おおむね良好に搬送されています。
   
表紙15.JPG調査結果16.JPG調査結果17.JPG3次、2次対応というトリアージが適切かというところで消防庁にまとめていただいた結果があります。いわゆるアンダートリアージ、この率が非常に高く14.6%。この緑の範囲は適切。これが高いのか低いのかというところで、ここに大阪市のデータがあります。「3次対応」の数、医師が判断する数にしても、栃木県の方が割合が高い。3次と2次の役割分担が違うのではないか、というのがこれで分かります。アンダートリアージにしても2次のアンダートリアージ、3次であるところが2次に行ったというのは非常に低い。3次の中のアンダートリアージは全体から見て非常に低い。この辺を個別に検証してみますと、アンダートリアージの3次要件がJCS30以上ということです。重症の兆候があると思われるような心血管イベント、脳卒中、これらは実施基準では3次ではなくて専門病院で、その通りに救急隊は判断している。でも病院は対応できなくて「やっぱり3次へ」と判断しているので、ここは実は内容は合致しているのではないかと思います。でもこの重症の兆候の中に、くも膜下出血があり、これは救急隊は把握していない。急性硬膜下血腫もあったので、これらは十分フィードバックされないといけない。
 
病院選定時間は15分以内で問題ないのですが、受け入れ側のアンダートリアージ、定義上のアンダートリアージは少ないのではないかと思いますが、改善の余地はあると思います。転帰まで考えて影響なかったかどうかというのは考えてコメントしていきたいと思います。2次医療機関は非常に機能が限られている。手を挙げて頂いていても、専門科を明確にしていただいた上で救急病院と、3次医療機関は3次だけでなくその地域に合った受け入れをしていかなければいけないのではないかと考えます。
 
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