村重直子の眼9 小山万里子・ポリオの会代表(中)
小山万里子・ポリオの会代表の2回目。活動の経緯などをお聞きしています。
村重
「そもそも小山さんが、この活動をされるようになった、きっかけを教えていただけますか」
小山
「ポリオの会の、私は言いだしっぺです。対外的には代表と名乗っていますが、言いだしっぺの責任を取るという形です。実は、私は非常に麻痺が軽かったもので、ずっとポリオを隠してきました。ポリオの既往があることを言うと、入試も落されましたし就職試験も落されました。だから、いかに隠すかということの方に関心がありました。ところが、40歳過ぎから非常に体調が悪くなってきました。よく転ぶとか、膝折れがするとか。何だろうと思っていましたが見当がつかなくて。そうしたら、たまたま新聞記事にアメリカのポリオ患者に、何年か経って体調の悪くなる人が増えている。ポリオ後症候群だとかかれていまして自分のこともそうでないかと疑いました。ただ、なかなか受診する勇気もなく、それから何科に行ったらいいかも分からない、で幼い時ポリオの治療を受けた記憶のある日赤の、子どもだったから小児科だろうと小児科に電話して、『ポリオを昔そちらで受診したんですが最近体調悪くなったんですけど、どこに行ったらよいか分からないので、そちらで診ていただけますか』と言いましたところ、神経内科へ行きなさいと」
村重
「体調が悪いというのを、もう少し具体的に教えていただけますか」
小山
「例えば足首が突然内反する、膝折れがする、痛みがある、力が入らない、ものすごい冷えがある、それから疲労感が激しいなど、自分でもなぜかわからない身体症状です。交差点で信号を待っていて突然膝が折れてガクガクとなる。そういうことなので何科に行ったらよいか分からない、その頃に神経内科という言葉も知りませんし、リハビリテーション科という言葉も知りませんし」
村重
「普通に受診しても、なかなか診断が難しいですよね」
小山
「で受診しましたら、色々な検査をやって下さり、ポリオ後症候群であると診断されて、その時に私はその先生に、私は杖か車椅子かと叫んだんですが、それは分からないと言われて」
村重
「分からないとは」
小山
「どうなるか自分には何とも言えないと」
村重
「将来的にどうなるか分からないということですね」