村重直子の眼13 大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員(上)
村重
「では先生は、もうオープンに出てらっしゃる」
大西
「そうなのですよ。ゴールドまでは決められたステップで競技をします。でもオープンレベルのダンサーは、ステップは自由になります。かなりレベルの高いダンサーが多くいますよ。世界チャンピオンをめざすダンサーや、プロになるような人たちもたくさんいます。私の場合楽しみのためにやっているのですけど。ダンスを通して、たくさんのすばらしいお友達ができ、いろいろな国の文化や考え方の相違を知ることができました」
村重
「ペアで出るのですか」
大西
「ペアで出るのです。私はMIT(マサチューセッツ工科大学)のダンスチームに所属していますので、そのチームのパートナーがいます。日本では、一度決まったパートナーは変わることはあまりないと思いますが、アメリカは簡単にパートナーが変わります。私がアメリカに3年間いる間に5人もパートナーが変わりました。みんな、少しでも上位になることを考えていて、ペアで上達しようっていうよりは、個人が上位に行きたいという考え方ですから。趣味もすごい競争社会だなと」
村重
「ペアを組み換えながらランキングが上がって行くのですね」
大西
「そうです。日本の競技ダンスのシステムでは、男性だけがA、B、C級などのクラスを持っています。女性は自分のクラスはもてず、リーダーの男性のクラスに依存することになります。例えばリーダーがA級ならパートナーもA級になれます。アメリカは男性も女性も同じです。個人の成績のポイントから個人のクラスが決まります。なのでダンス歴に、前はこの人と踊ってたって、そのときはランキングは何位だったというように記録されるのです」