医療の控除対象外消費税問題、政府税調で議論へ―梅村聡参院議員(民主)
医療界の積年の懸案事項である控除対象外消費税の問題が、政府の税制調査会で議論されることが分かった。この問題に取り組んできた梅村聡参院議員(民主)が今日、大阪市内で開いた国政報告会で初めて明らかにした。(熊田梨恵)
梅村議員は控除対象外消費税の問題に取り組んできた経緯を説明し、政府税調がこの問題を議論することになったと明かした。これにより、問題解消に向けた動きが一層具体的になるとみられる。
<ニュース解説>
「医療の控除対象外消費税」と聞くとただの業界ニュースのようだが、実は一般国民にも大問題なのだ。
医療を提供する側の医療機関は、医療機器や医薬品、器材等を買う時、普通に5%の消費税を払っている。しかし、医療は教育などと同様「非課税」とされ、患者から消費税分を徴収することができない。つまり医療機関にとっては払い損となる。年間に支払う消費税の額は、大学病院だと1施設当たり約3億4000万円、公的病院で約8000万円、民間病院は3400万円ともいわれる。医療界から問題解決を求める声はあったが先送りされており、消費税増税の議論に伴って「これでは医療機関が潰れてしまう」と強い声が上がるようになっている。
厚労省はこの問題について、「診療報酬自体に消費税が含まれている」と説明しているが、国が掲げる「医療は非課税」の原則と矛盾する。診療報酬に含まれると言うが、診療報酬の約15%は患者の窓口負担、約50%は保険料であり、結局は国民が払っているものだ。おまけに、診療報酬のうちのいくらが「消費税分」なのかが不透明であり、国の情報公開という面でも問題がある。
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