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食べるべきか食べないべきか、それが問題。食物アレルギー

こんな症状がサインです。
26-1.1.JPG 食物アレルギーの症状で最も多いのは、じんましんや発赤といった皮膚症状。これに咳や呼吸困難等の呼吸器症状、口・のどの粘膜のはれや鼻水、目のはれ・かゆみ等の粘膜症状、そして下痢や嘔吐、腹痛等の消化器症状がつづきます(図参照)。
 これらの症状は、原因となる食品を飲食して2時間以内に現れる「即時型」と、それ以上の時間を要する「遅延型」に分けられます。先にご説明した免疫システムの違いを反映しているのです。
即時型は、免疫グロブリンE(IgE)による免疫反応の結果で、一般に「食物アレルギー」といえばこのタイプです。飲食後すぐに症状が現れるので、原因となる食品もより特定しやすいのが特徴。ただし、ぜんそくのような症状や、血圧低下から死にいたる全身性の症状(アナフィラキシー、後述)など重篤な事態に陥ることも。おとなの食物アレルギーでこの即時型が増加しているようです。
 対する遅延型は感作T細胞による免疫反応の結果で、こちらは例外的です。代表例は、新生児の粉ミルクによるアレルギー。下痢や血便などの消化器症状が現れます。ところが飲食後しばらくしてから症状が出てくるので診断や原因の特定も困難です。
いずれにしても、特定のものを飲食した後に必ず症状が出るならば、食物アレルギーが疑われるでしょう。
 さて、ちょっと耳慣れない「アナフィラキシー」についてご説明します。これは、血液を介してアレルギー症状が全身に急激に現れるもの。血圧低下や不整脈等の循環器障害、ぜんそくのような呼吸障害を伴い、1割程度は、けいれんや呼吸停止など迅速な治療を受けないと死に至るショック状態に。症状を抑える薬剤を自分で注射する「自己注射薬」も使えるようになりました(次々項コラム参照)が、いずれにしてもただちに救急車を呼び、速やかに医療機関を受診してください。
食物のみによるのでなく、原因となる食物を飲食してから2~3時間後に一定の運動をしたときだけに誘発される「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」もあります。男性に多く、小学校高学年から増え始めるもので、運動量が多いと出やすいもののウォーキング程度でも安心はできません。運動中に急にじんましんが現れて広がり、呼吸困難や意識を失うことも。ただ、食事や運動のタイミングに気をつければ、運動制限はさほどきつくないということです。
 また近年、とくに成人女性に増えているのが、「口腔アレルギー症候群」。果物や野菜を食べると5分以内に、直接触れた唇や舌、のどの奥など、粘膜がかゆくなったり腫れたりします。花粉症やラテックス(天然ゴム)アレルギーの患者に多くみられ、桃やキウイなどではアナフィラキシーショックに陥ることもあるため注意が必要です。

これって食物アレルギー?  食物アレルギーと間違えやすい病気・症状がいくつかあります。①もっとも一般的なのが、ウイルス性や細菌性の食中毒。通常、発熱を伴います。②特定の食物を消化するのに必要な酸素が欠如していて下痢が続くなどの症状が出る「食物不耐症」。よく知られているのが、牛乳を分解できない乳糖不耐症です。③野菜や果物、あるいは保存状態の悪い魚に含まれるヒスタミンなどの化学物質に反応して、皮膚の触れた部分が赤くなったり中毒症状が現れるケース。④魚の寄生虫に対するアレルギーがその魚へのアレルギーと間違われる(サバなど)。⑤タンパク質を多く摂取すると体温が上昇することがあり、それによってもとからある湿疹のかゆみが強まることがある。どの場合も、くり返したり症状が強いようなら、原因をはっきりさせるためにも医療機関を受診しましょう。

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