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体内時計に逆らうストレス

 私たちの体では、①遺伝子発現②自律神経の興奮③ホルモン分泌という体の状態を制御する3系統すべてが、ほぼ1日周期で、波のように上がったり下がったりを繰り返しています。このような上がったり下がったりを制御しているのが「体内時計」です。ほとんどすべての細胞に時計があって、親時計は脳の視床下部というところにあります。
 あまりピンと来ないと思うので、思い切り簡略化して述べます。遺伝子の観点から見ても、自律神経の観点から見ても、ホルモン分泌の観点から見ても、私たちの体は1日の中で波のように変動していて、時間帯によって状態が異なるということです。極端な言い方をすれば、朝のあなたと夜のあなたは、中身が少し違うということになります。
 これは、何かを楽にこなせる時間帯と、骨の折れる時間帯があるということでもあります。当然、楽に眠れる時間帯と、なかなか寝つけない時間帯も存在します(コラム参照)。
 体内時計は、完全に内発的に刻まれるのではなく、外界の影響によって日々ズレが生じていきます。環境の変化に速やかに適応できるよう、体内時計も調節可能になっていると書いた方が正確かもしれません。
 ともあれ、毎日同じような時間帯に同じようなことをしていると、体の方でも適応して、そうした行為を楽にこなせるような状態になってくれることになります。ただし、そうした単調な生活を現代人の脳が快く感じるかという問題は残ります。
 一方、日によって行為の時間帯や行動そのものが変わると、体は適応しきれないので、何かと骨が折れ、言うなればストレスにさらされた(10年5月号特集参照)のと同じ状態になります。ヒドイ場合には、体内時計がグチャグチャになって3系統バラバラに動いてしまったり、上下動の振幅が小さくなったりすることもあります。
 体内時計は、人類が発生してからに限っても200万年もの途方もなく長い期間、太陽が出て明るくなれば活動する、太陽が沈んで暗くなれば休息するというサイクルに適応して発達してきています。
 夜間に活発に動く現代人の生活そのものが、体内時計の観点から言うと、知らず知らずにストレスを蓄積させるようなものだ、ということはお分かりいただけると思います。
 で、実は卵と鶏のような関係として、睡眠の取り方と体内時計の健全さとの間にも強い関連性があります。体内時計の親玉が睡眠でしか疲労解消できない脳に存在しているからであり、体内時計の調節に光が大きな役割を果たしているからでもあります。
 そして、体内時計が狂うと睡眠障害や自律神経失調や内分泌系の疾患、そして精神疾患などが現れやすくなると知られています。

眠気が来るのは起床後15時間  睡眠は、体内時計と疲労物質蓄積量の二つの要素で制御されています。特筆するような疲労がない場合は、主に体内時計に睡眠が制御されることになり、起床から15時間後に眠気がやってきます。その2~3時間前は逆に目が冴えて眠れない時間帯です。昼近くまで寝ていると、その夜なかなか寝つけず、次の週のスタートから睡眠不足に陥ることになります。睡眠の質も悪くなりがちで、いわゆる睡眠障害が目前です。

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