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あなたの悩みにお答えします②

家族が病気のことを分かってくれません。どうしたらよいでしょうか?
答える人 北原詠美子さん(40代女性、強皮症・全身性エリテマトーデス)
聞き書き 武田飛呂城・NPO法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長
 病気になると、家族との関係に悩むこともありますよね。

 特に、これまで病気らしい病気をしたことがないという人の中には、病気はいつか治るものという思いがあるようです。

 私も時折、親戚などから「その病気はいつ治るんだ?」とか、「無理せずゆっくり休んで、早く治した方が良い」と言われることがあります。治らない病気を持っているということが理解できない人もいるのだと思います。

 私は17歳の時、手の甲や指が腫れて突っ張る感じになり、親に連れられて受診した病院で、膠原病の一つである強皮症と診断されました。自転車のブレーキを握るのが難しいくらい腫れて不便さを感じてはいたのですが、処方された漢方薬を飲んで過ごしていました。
その後、高校を卒業して仕事に就いてからの21歳頃、今度は咳と熱の風邪のような症状が続き、全身性エリテマトーデス(SLE)との診断を受けました。SLEも膠原病の一つで、人によっては合併することもあるようです。

 ということで、若いうちに2つの病気を持ってしまったのですが、私はあまり大変という認識ではいなかったように思います。親が私の体調を心配するのに対しても、ほどほどにやっているよという感じで話していましたので、家族との関係で特に悩むことはありませんでした。

 少し難しいなと感じるようになったのは、結婚する時でした。夫は病気に理解のある人で、病気のことも分かった上でお付き合いしていました。当時、私は病気の治療で免疫抑制剤を使っていて、妊娠と出産は難しいということも伝えていたのですが、それでも私と結婚したいと言ってくれました。ただ、彼が親戚に結婚したいと話した時、「子どもを産めない嫁と結婚するなんてダメだ」と言われたそうです。

 彼は、それでも私と結婚したのですが、多分その親戚には今でも理解してもらえていないんだろうなと思っています。

 それに対して、夫は、私の病気のことや飲んでいる薬のことを調べて、様々な知識を持っていてくれたようです。私の症状がどういうもので、どんな治療をしているのか知ってくれているから、すれ違いが少ないのかなと思っています。

 私も、夫の努力にだけ頼るのではなくて、分かってもらうための工夫はしているつもりです。体調が悪い時には無理せずそれを伝え、「ごめん、今日は体調が悪くて夕飯が作れなさそう」とか、できるところまでやった上で「後はよろしく」と言うようにしています。大切なのは、後から言うのではなくて、先手先手で伝えることかなと思っています。

 病気のことを話す時も、難しい専門用語を使うのではなくて、「日焼けしちゃいけない」とか、「○○な時がつらい」というように、普段の生活で自分が困ることや、気をつけていることを伝えるようにしています。心がけているのは、小学生でも分かるような言葉で伝えるということです。

 病気に限らず、理解し合うというのは大変なことです。人生経験が違えば、自分はこれが普通と思っていることでも、人によっては普通ではないということもあります。分かり合うためには、相手の考え方も尊重しながら、自分の思いを伝えることが大切です。お互いに気にかけて、気軽に話し合えるような関係性を作っていきたいと思います。
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