厚労省は、医療に対するテロリストか

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年11月10日 19:06

ついこの間、死因究明検討会の報告をしたばかりだが
もう次のが開かれてしまった。
この後でおいおいご報告するように
医療界のリーダーどうしによる大変な罵りあいがあって
16回目にもなってこんなになるというのは何たることかと思う。


やはり最初にボタンのかけ違いをしているとしか言いようがなく
リセットしないと大変な禍根を残す。
大臣もそろそろ決断する時ではないだろうか。


検討会がそんな状態なのに、会の最後に驚くべきことが発表された。


「国民の皆様に現時点の検討状況をお知らせし、理解を深めていただくことを目的として」「『第三次試案』及び『医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案』の地域説明会」を開くという。その1回目は、なんと来週、11月19日の16時から18時に福岡国際会議場メインホールで開くそうだ。その後に順次全国で開催していくらしい。


こんな急な話に関心のない人が来るはずもないので、医療側、医療事故被害者側がそれぞれに動員をかけて激論を戦わせることになるだろう。議論した結果として止揚できればよいが、厚労省側には案をいじる気はさらさらないわけで、それでは止揚するはずもなく、単に軋轢をバラ撒くだけだ。税金を使って、どうしてわざわざ対立関係を煽るようなことをするのか。


最近はどちらかというと厚労省に対して同情的に見ていたのだが
彼らは一体何をしたいのか。
自分たちのメンツのためには医療を破壊しても構わないということなのだろうか。


ニュートラルな心ある国民の皆様
今こそ皆さんが声を挙げるときです。そうは思いませんか?

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コメント

医師が診断・治療を間違えると患者がひとり亡くなることがあります。一方、官僚が政策を間違えると、数千・数万人が迷惑を被り、亡くなる人も一人二人では済みません。

最近、厚生労働省からの通達が医師会を通して回ってきましたが、驚くことに通達を出した本人の名前が書かれていない。

「厚 生 労 働 省 ○○局 長」

のみです。なんという無責任さ。
この国には、目立ちたがりで責任をとらない政治家と、目立つこともせず責任をとらない役人しかいないのでしょうか?

>医療界のリーダーどうしによる大変な罵りあいがあって
>16回目にもなってこんなになるというのは何たることかと思う。

このコメントを書いている段階で、16回目の会議の詳細はわかっていません。
それを前提して。

”医療界のリーダー同士”とは今回の参考人のうち医師2名と、会議の委員である医師会出身者と医学部の教授のかたの間にと言うことですね。
今回、初参加の患者団体代表は論外のレベルとして。

想像はつきます。
川口様が仰るように、厚労省の考えが甘かったのです。
そして、この試案と大綱案の地域説明会を急ぐ理由はただ一つ。慎重な厚労相を差し置いて厚労省役人がクーデターを起しかけているのです。
第二次大戦前後の軍部の暴走が日本を破壊に導いたように、厚労省役人が軍人となっている。

選択は一つしかありません。
舛添厚労相がこの会議を解散すれば良いのです。同時に大綱案を廃棄すれば良いのです。
それで解決します。

…それは無理でしょう。他の方法を考えましょう。

 難しいとは思うのですが。

…それは無理でしょう。他の方法を考えましょう。

中村利仁先生、総選挙が鍵でしょう。
厚労省案、対案、さらなる別の法案、でしょう。
結局、国会での決着となるのでしょう。

おそらく説得は無理ですよ。
刑法学者の言うことは聞いて、現場の意見は、聞くふりをして尊重していないのですから。

あとは、医療の安全を守るためのストライキという実力行使しかないのではないかと考える今日この頃です。

川口様

ふだんの川口様に似ず、今回はやや扇情的なタイトルですね。本件に対しては、それだけ熱がこもっているということなのでしょうか。

>最近はどちらかというと厚労省に対して同情的に見ていたのだが彼らは一体何をしたいのか。
>自分たちのメンツのためには医療を破壊しても構わないということなのだろうか。

彼らも方々から色々言われ、単に手一杯なだけかも知れないように私には思えますが。

>そして、この試案と大綱案の地域説明会を急ぐ理由はただ一つ。慎重な厚労相を差し置いて厚労省役人がクーデターを起しかけているのです。

ご説の通りだとするならば、大臣は結論を急ぐなという立場で、逆に役人が事を急いでいるということになりはしませんか。でも果たして事実はそうなのでしょうか?


(言い方の巧拙や品位は兎も角として)委員が公開の場で論争する審議会の方が、何事も事務局の原案通りとして殆ど議論らしい議論を経ないでスルーする審議会よりも余程健全なような気が私はしますが。

もっとも16回も議論を重ね第3次試案まで示しても委員の間で未だ決着が着かないということについては、「一体今まで何をやっていたの?」と突き放すこともできますが、この間に大野病院の地裁判決の確定や(もしかすると今後与党になるかも知れない)野党からの対案の提出など、状況の変化があったことも事実でしょう。一旦政治問題として俎上に上ると簡単には解決しないことは役所が一番良く知っているのではないでしょうか?

例え評判が悪いとしても現行案については役所側としては既に与党内で説明して了承を得たのでしょうから、その後役所側の都合でその中身を変えるというのも理屈が立たない話であり、あとは全国の説明会でさんざん叩かれて「やっぱりこの案では理解が得られない」としてリセット・再審議に持ち込まざるを得ない状況になるのではないかと個人的には予想しています。

解散総選挙となって仮に与野党逆転となった場合、民主党も(対案を公言した手前)現行案をご破算にせざるを得ないのでしょうが、このように政治案件となってしまったものは総選挙後まで放置しておくのが余計なエネルギーを使わないやり方だと私は思いますが、解散が先送りされてしまった現在、放置して後々不作為を問われることも懸命ではないとの判断もあるのかも知れませんが、よくわかりません。

それにしても現在の日本のレームダック状態が何とかならないものでしょうか。大事な物事が進まなくていけない。

>大臣は結論を急ぐなという立場で、逆に役人が事を急いでいるということになりはしませんか。でも果たして事実はそうなのでしょうか?

ネットで紹介される大臣のご発言は、いつも結論を急ぐな、です。第四次試案にも言及されていましたしね。
大臣を差し置く人が、現実にいるのも事実でしょう(想像はつくでしょう、だれなのかは)。

>このように政治案件となってしまったものは総選挙後まで放置しておくのが余計なエネルギーを使わないやり方だと私は思いますが、

そうですね。本来ならそうでしょうが、事を急ぐにはなにかしら裏で手を貸している連中がいるわけで。
だれかは、わかりますけどね。

まぁ、いずれにせよ、この厚労省案では第一線の臨床医の賛同を得ること難しいことが再認識されましたね。

>全国の説明会でさんざん叩かれて「やっぱりこの案では理解が得られない」としてリセット・再審議に持ち込まざるを得ない状況になる

今回の試案のパブコメも反対が大多数を占めましたが、大綱案が作られましたよね。
パブコメでさんざん叩かれても、大綱案ができたと言う現実が、すべてを物語っています。

全国の説明会もポーズ、パブコメもポーズ、案がつぶされ、会議もなくなるが可能性はないでしょう。

結局、政治的に決着をつけるしかないでしょう。
この案に反対する医師の多くは、既に国会議員に働きかけていますよ。
法律をつくるのは国会議員だから。
このあたりの状況も、事情通の医師がネットで情報発信していますし、国会議員の動き、厚労相のお考え、医師グループの動き、ネットでよーくわかります。

厚労省役人が急ぐ理由はただひとつ.
いまだに医療費抑制策を貫こうとしているから,でしょう.

医学部の入学定員が増え,今後医師数が増加し,診察料や手術料も増額される気配が漂っていますが,これは,今までの厚労省施策の拠り所であった医療費亡国論が否定されることです.

医師が増えても,診察料が増えても,既に亡くなった患者さんに多くのリソースを割かせ,挙げ句に民事訴訟を闘わせ,常に萎縮医療を心がけさせれば,医療費の抑制は可能,と目論んでいるのではないかと勘ぐっています.

『第三次試案』及び『医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案』の地域説明会」第1回目が11月19日の16時から18時に福岡国際会議場メインホールで開催されますが、全国医師連盟代表の黒川衛氏が招請されて発言します。
九州地区でお時間のある方は、是非、足を運んで下さい。
全国医師連盟のスタンスは、医療事故安全調査会の必要性は認める。しかし、現行の拙速な議論には問題が多すぎる。
全国医師連盟の対案は、以下の通りです。
医療の安全の確保と医療の継続に向けた医療事故による死亡および健康被害の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案
—全国医師連盟案—

1. はじめに
(1) 国家の基盤となる国民の健康維持・増進を担う医療政策は政策上、最も優先させなければならないものであり、とりわけ、医療の安全性向上は国民の切なる願いである。しかしながら、我が国では、医療の安全性向上に必要な医療関連死および医療行為に付随した健康被害に関しての原因解明への取り組みは欧米に比べ遅れをとっていたことは紛れも無い事実である。そのため、過誤を伴わないと考えられる医療関連死においても刑事手続きがとられてしまい、医療崩壊を招いたことは周知の通りである。
(2) 医療崩壊の現実を目の辺りにして、医療関連死及び医療関連被害に関する原因究明・再発防止に関して立ち遅れていた制度設計を見直し、これまでの刑事手続き、民事手続きによる係争以外に、新たな原因究明・再発防止の制度を創設する必要がある。
(3) 新しい制度の構築には、医療の透明性の確保や医療に対する国民の信頼確保に繋がるとともに、医療従事者が萎縮することなく医療を行える環境を継続的に整備していく必要がある。
(4) 本試案は、医療現場を支える医療従事者および医療を受ける非医療従事者の議論を基に取りまとめたものである。

2. 医療安全調査委員会(仮称)について
【委員会の設置】
(1) 医療事故による死亡および健康被害の原因究明・再発防止を行い、医療の安全の確保を目的とした、国の組織(医療安全調査委員会(仮称)。以下「委員会」という。)を内閣府外局に創設する。
(2) 委員会は、医療関係者の責任追及を目的としたものではなく、医療の安全性向上を目的とするものである。
(3) 委員会の委員長は、衆参両院の国会議員から推薦を受けた医療安全実務経験のある医師の中から、内閣総理大臣が任命し、天皇が認証する。
(4) 委員会の委員は、衆参両院の国会議員から推薦を受けた医療安全実務経験のある医師の中から、内閣総理大臣が任命する。
(5) 委員会は高等裁判所を有する都道府県に地方委員会を置く。
(6) 地方委員会は各都道府県に司法・行政解剖を実施する監察医務院を置く。
(7) 地方委員会の下には、事例毎に置かれる調査チームを置き、事故調査の実務を行う。
(8) 医療事故による死亡および健康被害の補償を目的とする医療事故補償基金(以下「基金」という。)を厚生労働省内に併設する。
(9) 委員会、地方委員会、調査チームには歯科医師、薬剤師、看護師、臨床工学士、法曹関係者、その他有識者等を参与に加え、審議、調査について助言できることとする。
(10) 委員会は運営方針をさだめるとともに医療安全の確保のための施策等に関して関係行政機関などへの勧告・助言を行うことができる。
(11) 委員会および地方委員会は医療事故に関する強力な調査権限を有し、医療機関への立入り検査や診療録の提出命令、医療従事者などからの聞き取り調査等を行う権限を有し、必要に応じて裁判所から捜索令状、差し押さえ令状などの交付を受け、家宅捜索、証拠物品などの押収を行うことができることとする。なお、医療従事者などの関係者が委員会からの質問に答えることを強制されない。
(12) 地方委員会はAutopy imaging(以下Aiと記す。)や解剖の可否の判断を行う。
(13) 調査チームは、関係者の意見、Aiの結果、解剖結果に基づいて臨床経過の評価等をチームとして議論を行い、調査報告書を作成する。
(14) 調査対象となる個別事例の関係者は、調査委員会による調査に従事させないこととする。なお、委員会が適切機能するためには、国民の信頼を得るものでなければならず、委員には中立性と高い倫理観が求められる。
(15) 上記の業務を支える事務局の中央及び地方単位の設置についても併せて検討する。
(16) 医療事故による死亡および健康被害が明らかになり、関係者への賠償請求が困難な事案(制度や行政の瑕疵により生じた医療事故など、医療従事者、医療機関の責任が問えない事案)に関しては、委員会は基金に対して補償金支払い命令をおこなう。

【医療事故による死亡および健康被害の届け出】
(17) 医療事故の再発防止、医療に係わる透明性向上等を図るため、医療機関および医療従事者からの医療事故の届け出を制度化する。
(18) 医療事故による死亡が疑われる場合は24時間以内に医療機関及び医療従事者から届け出ることを義務付けることとする。その他の事案についても、医療機関、医療従事者からの届け出を受け付ける事とする。
(19) 届け出先は委員会委員長とし、これに基づき地方委員会は調査を開始することとする。
(20) 医師法第21条は改正し、過失犯を除く刑法犯に係わる異状のみを届け出範囲とする。また、刑法209条、210条、211条については「善きサマリア人の法」等の考え方を取り入れた見直し・廃止を行う。
(21) 医療従事者、医療機関の管理者が、医師の専門的な知見に基づき届け出不要と判断した場合には、遺族が委員会に調査依頼を行ったとしても届け出義務違反に問われることはない。
(22) 届け出の手続きや調査の手順等に関する医療機関および医療従事者からの相談を受け付ける機能を整備する。

【遺族からの地方委員会への調査依頼】
(23) 医療機関および医療従事者からの届け出がなかった場合でも、患者、遺族が原因究明を求める場合は、委員会に調査依頼をすることが出来るものとする。
(24) 委員会への調査依頼に係わる手続きや調査手順などについての相談を受け付ける機能を地方委員会に整備していく。

【地方委員会による調査】
(25) 地方委員会が、死因解明にAiや解剖が必要と判断される場合には行政解剖としてこれを実施する。既に遺体のない事例等については地方委員会が調査継続が可能と認めた場合は調査に着手する。
① 先ず、医療機関に診療録等の提出を求めるとともに、医療関係者、患者、遺族への聞き取り調査等を行う。これらの業務は、医師や看護師などの医療知識を有する者を含む事務局が中心となって行う。
② 臨床的な見解、Aiの報告を踏まえて、解剖担当医は解剖結果を取りまとめる。
③ 診療録等から取りまとめられた臨床経過や解剖結果に基づき、原因、健康被害あるいは死亡に至る臨床経過、診療行為の内容や背景要因、再発防止策などについての評価・検討を調査チームの臨床医が中心となって行う。
④ 臨床医が中心となってとりまとめた臨床経過の評価を基に、解剖担当医や臨床医等からなる調査チームにより議論を行い、調査報告書案として取りまとめる。調査チームの議論には、必要に応じて有識者、法律家などの助言を受ける事が出来る。
⑤ 地方委員会は調査チームの報告書案を医療事故の当事者および患者・遺族およびその代理人に提示する。なお、調査報告案の提示を受けた者はこれをマスメディアに公開してはならない。
⑥ 地方委員会は、医療事故の当事者および患者・遺族およびその代理人に提示し、意見を聞く。調査チームの作成した調査報告書案を審議し、必要が有れば再調査を調査チームに命じることが出来る。審議の上、地方委員会の調査報告書として取りまとめ、委員会に報告する。
⑦ 委員会は調査報告書に審査し、疑義がなければ、医療機関、医療事故の当事者および患者・遺族およびその代理人に交付し、併せて再発防止の観点から、個人情報等の保護に配慮しつつ、公表を行う。
⑧ 地方委員会の調査報告内容に疑義が残る場合は、委員会直轄の調査チームをつくり、地方委員会調査報告書の検証を行い、最終報告書を作成し、医療機関、医療事故の当事者および患者・遺族およびその代理人に交付し、併せて再発防止の観点から、個人情報等の保護に配慮しつつ、公表を行う。
⑨ 調査報告書の取りまとめに当たっては、地方委員会、委員会の議論によって意見の集約を図ることとなるが、議論の結果、委員の間で意見の合致に至らなかった場合は、調査報告書に総ての少数意見を付記することとする。
(26) 調査報告書の作成に当たっては、医療関係者以外の者が理解しやすいように配慮する努力をはらう。
(27) 医療機関からの届け出又は患者・遺族からの調査依頼を受け付けた後、疾病自体の経過としての死亡であることが明らかになった事例、これ以上調査しても原因究明が困難な事例については、調査を打ちきり、その旨を届出人および依頼人に通知する。
(28) 全国均一に、かつ、継続して適切な評価を行うため、評価の視点や基準についての指針等を作成するともに、解剖医およびAiの専門家を育成する。

【院内事故調査と地方委員会との関係】
(29) 地方委員会に於いて調査が開始された事例であっては、医療機関内に置かれた事故調査委員会は地方委員会に対して調査の方法、調査の進捗、結果について随時報告を行う義務を負う。

【中央に設置する委員会による再発防止のための提言等】
(30) 調査報告書を踏まえた再発防止のための対応として、中央に設置する委員会は、
① 制度上の瑕疵が原因となっている事案が認められた場合には、内閣に対して、制度改善を提言しなければならない。
② 不適切な安全基準や施設基準等、行政の瑕疵が原因となっている事案が認められた場合には、所轄国務大臣に対して是正を勧告しなければならない。
③ 全国の医療機関に向けた再発防止策の提言を行う。この際には、関連する各種医療系団体、各種学術団体と協同していく必要がある。
④ 医療従事者および病院管理者に瑕疵があったと認められた事案については、調査報告書に意見を附してを医道審議会送付する事とする。
(31) 尚、医療事故再発防止の観点から、平成16年より財団法人医療機能評価機構が、医療事故情報収集等事業を実施しているが、統合的な医療安全対策を講じる必要性を考慮し、医療事故情報収集事業は委員会に管理を移管することとする。

【捜査機関への通知】
(32) 委員会、地方委員会、調査チームが悪質な犯罪の存在を疑わせる事案を把握した際には速やかに捜査機関へ告発を行う。尚、過失犯は悪質な犯罪には含まないものとする。


3. 医療安全調査委員会以外での対応(医療事故が発生した際のその他の諸手続)について
 医療安全調査委員会は、医療事故による死亡および健康被害の原因究明及び再発防止を目的としたものであり、その業務は調査報告書の作成・公表及び再発防止の為の提言、基金への支払い命令をもって終了する。

【遺族と医療従事者・医療機関との関係】
(1) 一般に、診療行為に関連した予期しない死亡、健康被害を始めとした医療事故が発生した場合、医療従事者、医療機関に対して求められることは、「隠さない、逃げない、ごまかさない」ことである。こうした初期の対応が適切に場合に、患者・家族と医療従事者・医療機関の意思疎通は悪化し、被害者の医療機関への不信感が募り、紛争に発展しているとの意見もある。医療事故の発生時には医療機関から患者・家族に事故の経緯や原因などについて、十分な説明がなされることが重要である。
(2) このためには、日常診療の中で医療従事者と患者・家族が十分な対話を重ねることが重要であるが、医療資源の貧困がそれを阻んでいる現実があり、今後は多くの資源を医療安全に投入し、改善していく必要がある。特に、事故発生直後から医療機関内での対応が適切になされる必要があり、患者・家族の感情を受け止め、真摯にサポートする医療メディエーターの院内の配置が望まれることから、その育成を図る制度の創設が望まれる。
(3) 医療従事者・医療機関と患者・家族との話し合いを促進する観点から、委員会の調査報告書は、第三者による客観的な評価結果として遺族への説明、基金からの支払い、裁判外紛争解決(ADR)や民事手続き等の資料として活用されることが想定される。これにより、早期の紛争解決、遺族の救済に繋がることが期待される。
(4) 医療機関と遺族との間では紛争が解決しない場合の選択枝としては、民事訴訟や裁判所による調停、弁護士会の紛争解決センター等の裁判外紛争解決(ADR)機関の活用などがある。いずれの場合に於いても、事実関係の明確化と正確な原因究明が不可欠であり、委員会の調査報告書は、早期の紛争解決、遺族の早期救済に役立つものと考えられる。
(5) 尚、民事訴訟制度による紛争可決には、解決までに時間がかかる、費用が高い、経過や結果が公開される等、様々な制約も有ることから、医療に於いても、裁判外紛争解決(ADR)制度の活用の推進を図る必要がある。このため、医療界、法曹界、医療法に基づき各都道府県等に配置された医療安全支援センター、関係省庁、民間の裁判外紛争解決(ADR)機関、地方委員会等からなる協議会を設置し、情報や意見の交換などを促進する場を設ける。

【行政処分】
(6) 医療事故は、システムエラーにより発生することが多いことが指摘されているが、医療事故に対する現在の行政処分は、医師法や保健師助産師看護師法等に基づく医療従事者個人の処分が中心となっている。
(7) 委員会では、医療の安全の視点からの調査が実施されることから、医療事故に対する行政処分は、医療の安全の向上を目的とし、委員会の調査結果を参考に、システムエラーの改善に重点を置いたものとする。
(8) 具体的には、以下のとおりにとする。
① システムエラーの改善の視点から医療機関に対する処分を医療法に創設する。具体的には、医療機関に対し、医療の安全を確保するための体制整備に関する計画書の提出を命じ、再発防止策を講ずるように求める。これにより、医療従事者個人に対する行政処分については抑制することとする。
② 医療機関が、医療の安全を確保するための体制整備に関する計画書の提出を命じられたにも係わらず提出をしない、また、計画書の提出はしたものの計画を実施しないといった悪質なケースに関しては、医療機関の処分だけではなく、その管理者及び設置者に対する処分をおこなう。
③ 医師法や保健師助産師看護師法等に基づく医療従事者個人に対する処分は、医道審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が実施している。医療事故がシステムエラーだけでなく個人の重大な注意義務違反等も原因として発生していると認められ、医療機関からの医療の安全を確保するための体制整備に関する計画書の提出等では不十分な場合に限っては、個人に対する処分が必要となる場合もある。その際は、業務停止を伴う処分よりも、再教育を重視した方向で実施する。
(9) なお、医療事故に対する行政処分については、医療従事者の注意義務違反の程度の他、医療機関の管理体制、医療体制、他の医療従事者における注意義務の程度等を踏まえて判断する。このため、医道審議会における審議については、見直しを行う。

4. おわりに
(1) 本制度の実施に当たっては、組織面・財政面の検討を加えた上で法整備を行う。施行に当たっては2年の準備期間をとるものとする。
(2) 本制度の確実かつ円滑な実施には、医療関係者の主体的かつ積極的な関与および国民の協力が不可欠となる。関係法令の改正・廃止などを含め広く国民全体の合意が得られるように議論が深まることを望むものである。
以上

>彼らは一体何をしたいのか。
>自分たちのメンツのためには医療を破壊しても構わないということなのだろうか

メンツというよりも厚労省の限界なのです。
事故調問題を早く片付けて、本来の医療費増加抑制・年金対策に動け、というトップからのお達しなのでしょう。
個々の官僚には良い人もいるのですが・・・

川口さん及びここにレスしている方は御存知と思いますが、厚労省は弱い官庁です。いまだに日本は建設・土木優先、今回の世界同時株安では新たに金融政策が優先課題に加わりました。

医療・福祉・年金に熱心な政府に変えない限り、厚労省も変わらないでししょう。

思えば、米余りの時代、農林水産省の役人は先頭に立って減反を農家に強制しました。私の父親は農林水産省のキャリアでしたが、たまたま稲作地帯の県に出向していて、非常に辛い思いをしたようです。

農家の出身だった自分が「米を作るな」と説いて回ることになるなどと入省したころは予想もしなかったのでしょう。

当時、減反政策に激しく抵抗した秋田・新潟の米がブランド米として高い価格がついていることを見るにつけ、後は個別の抵抗しかないのかな・・・と思っています。

長野県の低医療費も、JAいがいの民間資本の形成が小さく高度成長時代に病床を増やさなかったことが幸いした部分もあります。

もともと人口あたりの病床が少なかったために、健康増進運動に力を入れざるを得なかったのです。

それぞれの居住地で様々な工夫をしていくことも重要だと思います。

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