続虚報

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2007年08月14日 13:53

一昨日のエントリーで、東京新聞に虚報が載っていると書いた。
これはその後
共同通信の配信記事と教えてくださる方があり
ならば厚生労働省のレクチャーが悪かったに違いない
と分析したのだが
さらにその後
この記事に続きがあると教えてくださる方があった。


それが以下の文章である。

 「ペナルティーまでは必要ない」「それでは遺族の信頼が得られない」-。中立の立場をうたう「医療事故調」の在り方を論議した10日の厚生労働省検討会。医療機関や遺族の立場の違いが設立前からあらわになり、オブザーバー参加の警察庁担当者が医療側の委員にかみつく場面もあった。

 会合が開かれた東京都内の会議室には、関心の高さを反映し、100人近い傍聴者が詰め掛けた。口火を切ったのは、心臓外科が専門の高本真一(たかもと・しんいち)東大医学部教授。

 「『届け出を怠れば、医療機関にペナルティーを科す』というのは表現が強すぎる。罰則ではなく行政処分のような、ゆるやかな表現にならないか」と話し、関係学会は医療事故対策を着々と進めていると訴えた。

 日本医師会の木下勝之(きのした・かつゆき)常任理事も「ペナルティーというと医師法違反(の罰則)のようなイメージが強い」と露骨に不快感を示した。

 これに対し、警察庁の太田裕之(おおた・ひろゆき)刑事企画課長は「届け出を義務付けないのであれば、信頼できる組織と言えるだろうか。事故を隠そうと思えばいくらでも隠せるではないか」と厳しい口調で話し「われわれには患者からの告訴があれば、捜査する責務がある」と強調した。

 2003年に大学病院で出産直後に娘と初孫を亡くし、4月から検討会を傍聴し続けている小室義幸(こむろ・よしゆき)さん(71)は「医療関係者はうそをついたり、事故を隠ぺいしたりしないと思い込んでいるのではないか。事故調は中立的なものであってほしい」と注文を付けた。


ここからは上記が共同通信の配信記事であるとの前提で書く。
これを見る限り記者本人が傍聴しているらしい。
しかし、あれを要約するとこうなるのか?


共同通信の記者がどのような思想信条を持っていようが構わないが
都合の良いようにつまみ食いして
主観と客観を混ぜたり
発言の順序を引っ繰り返したりするのはインチキである。


検討会委員の誰かが訂正を要求すれば
持ちこたえられない位レベルの低い記事だ。


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コメント

 これ読むと、非道い捏造記事だとしか評価のしようがありませんね。…あるいは、日本語能力が劣化しているのか。

 それはそれとして、北総病院の件では、院内事故調の調査結果や議事録を、厳秘とするのか、開示するのか、公開するのかが問われているのですが、この検討会の議論では、それすら結論が出ていません。

 どうせ報道するのであれば、そういう複数の現場と霞ヶ関を繋ぐような記事にこそ意味があると思うのですが、医療ジャーナリストでこれはという方はなかなか出ないですね。

記者が、事実を見ず
頭の中の「正義感」を振り回した典型例と思います。
看過するのは非常に危険です。

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