一病~リウマチ~息災徒然ノート24 |
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投稿者: 真木魔愛 | 投稿日時: 2007年09月10日 20:24 |
医療機関へ転職と治験2
利益追求を目的とし、
合理化・効率化最優先の一般企業から、
人の生命にかかわる厳しさと、
使命感が最優先、
それ故に
公共性が強調される医療提供の組織体に
放り込まれた私は
完璧なまでの
「よそ者」
「ケトウ(外国)かぶれした」
「(テキサスのテンガローハットをもじって)テンガロン」
でした。
(院長の言葉そのものです)
力を入れて、
取り組めば
取り組もうとするほど、
空回り、
院長を激怒させていました。
予測不可能な事態が次々と発生し、
振り回されながら、
自分の役割を見出すことを
学ぶ余裕もない毎日でした。
リウマチを抑えながら
環境の変化や重圧の中で
何とか仕事を継続できたのは、
治験薬(FK506・プログラフ)
に因るところが大きかったと思います。
病院に勤務した4年弱、
治験(臨床試験)に参加しました。
FK506は
1980年代の終わりに、
米国ピッツバーグで、
臓器移植に目覚しい実績を示した
免疫抑制剤です。
筑波山麓の
土中菌のサンプル分析により開発された、
つくばにゆかりの深いお薬でもあります。
1993年から、
「プログラフ」の製品名で
日米欧の順に発売され、
移植手術が多いアメリカでは、
肝臓移植の90%、
腎臓移植の60%
で、使われているそうです。
では、リウマチの治療に、
すでに生物学的製剤の治験の選択肢もあったのに、
なぜFK506だったのか?
第一は、
仕事を継続しながらの
治験薬物療法が可能だったからです。
FK506は経口薬です。
毎晩飲むだけのお薬です。
生物学的製剤のレミケード治験は、
点滴治療に通院が必要で、
その度長時間拘束されます。
第二は、
私が第二子を希望していたからです。
レミケード点滴は、
MTX併用が必須条件の治験でした。
では、FK506が、妊娠に安全か?
といえば、
100%そうではなかったのでしょうが、
MTXよりは安全かもしれない
程度だったと思います。
私の意志を尊重しながら、
住田先生が選択肢を提示し、
FK506が適切な治験だと思うと
おっしゃいました。
治験開始と同時に、
骨粗鬆症予防薬である
ダイドロネル(緑のお薬)も服用開始しました。
リウマチは、
骨や関節が破壊していく自己免疫性疾患です。
その上、
私はステロイド(プレドニン)を長く服用しているので、
骨がもろくなりやすいのです。
そして、主治医は
住田先生から、
住田先生の愛弟子の一人である、
村田先生に代わりました。
大学病院で三人目の主治医です。
村田先生は
勤務先病院のリウマチ外来に週一度、
非常勤で診療されていたので、
大変心強く安心でした。
ただ、治験は
リウマチ常勤医師のいる
大学病院施設でのみ可能でしたので、
私は引き続き
大学病院の外来に通院しました。
治験開始後二年目、
村田先生は
フランスに留学されることになりました。
コメント
子供を育てながら、仕事をしている娘にもすすめました。
真木さんの人徳でしょうが、大変な経験をされながらも主治医や環境に恵まれた様子が理解できます。
>リウマチ患者様
恐れ入ります。
リウマチになって、多くの方の善意や情に支えられてきました。
連載を綴ってみて、繰り返しありがたいことだと思っています。