ピンチをチャンスに

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2008年11月04日 19:11

募金バナー.jpg





この医療崩壊局面は、認めたくはなくとも国民自らが招いたことです。
切り抜けるには、誰か一部の人の力ではなくて、広く国民全体の力が必要です。


ただし「国民全体」が独り歩きするのは要注意。
「誰かがやるでしょ」という意識になりやすく
誰も真剣にやらないということになりかねないからです。


当事者意識を持つ人が増えた結果としての「国民全体」である必要があります。
そして当事者意識を持つ人は、最初から大勢いるものではありません。
ジワジワと増えていって、どこかで奔流になる
その時まで、初期に音頭を取った人たちが頑張らないといけません。
流れを絶やしてはいけません。


そして、ここからが問題なのですが


医療者の多くが
音頭を取る人は一般国民の中から出てくるべきと考えているように見えます。
これは国民の問題なんだから、と。
確かに一理ありますが、でもそれは余りに非現実的です。
だって、一般国民は状況をよく知らないのですから。
「忙しいんだからさ、誰かやってよ」と医療者が言っている限り
奔流に決してなり得ないでしょう。


医療者の多くが
患者に歩み寄ってどんどん巻き込んでいくのではなく
自分たちの論理に固執しているように見えます。
医療ってこういうものなんだから、と。
確かに正しいかもしれませんが、でもそれは余りに能天気です。
医療者と患者を合わせても、なお国民の過半数にならないのです。
利害を共有できるもの同士で「仲間割れ」をしていてどうするのでしょう。
それでは、奔流に決してなり得ないでしょう。


医療者と患者の懸け橋をめざす者として
どうしてもっとお互いに歩み寄ってくれないのか、と
随分歯がゆく感じてきました。


しかし先日、頭を煉瓦か何かでガーンと殴られたような強い衝撃を受けました。
『周産期医療の崩壊をくい止める会』が
妊産婦死亡した方のご家族を支える募金活動を始めると知ってでした。
恥ずかしながら
そこまでの懐の深さと当事者意識を持った活動ができるなんて
頭の片隅ですら考えたこともありませんでした。


衝撃は、すぐに感激に変わりました。
先日のブログにも書いたとおり、民による公益追求だと思いました。
医療崩壊に対する特効薬どころか
日本を覆う閉塞感を吹き払うことだって可能かもしれないと思いました。


ただし少し冷静になって現状を眺めてみると
奔流の源流となり得る動きではあるけれど
これがそのまま奔流になるには、まだ足りないものがあると思いました。


特に足りないと思うのは、達成感です。
1カ月ちょっとで322万円余が集まったのは凄いと言えば凄いのですが
募金がどう使われて何がどう変わったのか見せてほしいのが人情です。
それが見えないと心が疲れてしまって協力を続けられません。
とはいえ、何か社会にインパクトを与えるには、ある程度の金額が必要です。
このままでは卵と鶏の関係になって、話が前へ進まなくなる可能性があります。


先ほど、音頭を取る人が頑張らないといけないと書きました。
でも、ことにお金のからむ話だと
コアメンバーだけ頑張っても、すぐに限界が来て続けられなくなります。
最初の大きな達成感に到達するまで
もっと多くの方が気楽に続けられる形
そしてささやかでも達成感のある形がないものだろうか、こう思いました。


ちょうど、そんな時に偶然、1クリック募金の仕組みを知りました。
環境問題に広く人々を巻き込んでいくための「エコクリック」というものでした。
これを医療にも使えばいいじゃないか! と思いました。
試していただくとお分かりのように、ちょっとだけ達成感を味わえるはずです。


これなら、その歩みはゆったりかもしれませんが、続けられると思います。
そして、この歩みのスピードは、参加して下さる人が増えれば増えるほど
どんどん早くなります。


さあ、皆さんご一緒に、ピンチをチャンスに変えませんか。
1日1クリック、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ちなみにスポンサー役をして下さる方も募集しています。

<<前の記事:中原利郎先生の民事訴訟、上告したそうです    オバマさんにあやかって:次の記事>>

コメント

川口様、初めまして。
私は主にモトケンさんのブログを棲み家にしている社会保険労務士です。

あちらのブログでは、医師の方々の意見主張が余りに後ろ向きで不毛の議論に終始している、とモトケンさんが憤慨されておられます。私も一部のネット医師の意見が、国民世論の理解を得る方向に向いていないと常々感じておりました。

そうした中で川口様のこのエントリを読んで、全くもって我が意を得たりと感じ、ついついモトケンブログの方にも勝手ながら紹介の投稿をしておきました。こちらには事後報告となりましたことをお詫び致します。

なお私も先日よりこちらのバナーで、1日1クリックの社会貢献をさせて頂いております。川口様の理念と熱意が、医療界や社会の賛同を得て盛り上がることを祈念しております。

>法務業の末席様
はじめまして、コメントありがとうございます。
また拙ブログをご紹介いただいたようで重ねて御礼申し上げます。
1クリックに参加してくださる方が増えることで
ちょっとずつ裾野が広がってほしいなと思っています。

物知らずで申しわけありません。
このバナーは自分のブログに貼ったりしても、よいのでしょうか。
また、どうやれば貼ることができるのでしょうか。

川口さんがお忙しいのがわかっていながら
こんな初歩的な質問をしてしまうのは
本当に心苦しいので、お時間のある、
ネット上のお行儀に詳しい方のレスがあるといいなぁなんて
とても勝手な願望を持っていたりします。
みなさま、物知らずの忍冬めにに愛の手をお願いします。

コメントを投稿


上の画像に表示されているセキュリティコード(6桁の半角数字)を入力してください。