小児科医は増加している? 辞めている? コメント欄

投稿者: 新井裕充 | 投稿日時: 2009年11月03日 13:51

 小児救急の改善策として、厚生労働省は「小児科医の数は増加している」とした上で、「トリアージ体制」や「小児救命救急センター」などを2010年度の診療報酬改定で評価する方針を示している。小児科医や看護師らが充足しているなど救急受け入れ体制が整っている病院を手厚く評価する意向だが、「地方はピンチな状態で小児科医が辞めている」との異論もあった。(新井裕充)

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 1.始めに こどもが小さかった頃、よく夜中に熱を出し、どうすれば良いのか迷ったものだ。車で近くの病院まで連れて行ったことや寝ずの患病をしたこともあった。... 続きを読む

小児救急の改善策として厚生労働省は、「小児科医の数は増加している」とした上で、「トリアージ体制」や「小児救命救急センター」などを2010年度の診療報酬改定... 続きを読む

コメント

 議論があまりにも粗雑で、極めて不愉快です。

 まず何よりも、最初に個別診療科の問題を取り上げていることが問題です。

 公的病院の9割、私的病院の半分が赤字経営という状況下で、個別診療科の問題から議論をはじめることは百害あって一利無しでしょう。

 それでも細かいところを見ていくと、いったい、休日・夜間の外来診療が過負荷になって病院小児科医が疲弊しているというのが地方の常識なのに、3次救急しか(あるいはすら)受けないこども病院の診療報酬を手厚くしてきて、何か良いことがあったというのであれば、その裏付けとなるデータを出すべきでしょう。

 時に問題のある現場ではなく、その隣接地に問題解決のカギがあるというのは決して珍しいことではありませんが、この場合、結果が出ていないのですから、省にも中医協にも説明責任があります。

 また、小児救命救急センターやPICUについては、相変わらず何人の子供達の死をどのようなドクトリンによって回避できると主張しているのか、明確な発言がありません。PICUが必要且つ有用であると主張するなら、それにどれぐらいの人員と費用と箇所が必要で、何人の子供達の死がどのようにして回避されるのか、解説が必要でしょう。

 このようなあまりにも杜撰な議論で、実際に数字が目に見えて改善することが期待できるとは最初から思えません。

 この議論について、誰がどのような形で責任を取るのか、また、結果としてどのように意思決定が変更されるべきなのか、今から考えておくべきでしょう。

小児科医は増えているのか?

日本小児科学会のホームページによると現在の学会になった昭和60年に11549名だった会員が、平成9年16045名、平成21年の名簿によると約27000名(ちゃんとは数えてませんが)となっています。確かにこれをみると増えています。でもうそです。
学会会員が増えたのは、専門医制度ができて学会費を払い続けないとせっかくとった資格がなくなってしまうからです。以前は学会に属さない小児科医がたくさんいましたし、現在は働いていない小児科医も資格を失いたくなくて会員費を払い続けています。

PICUは役に立つのか?
確かに役に立ちます。信じられないような病態の患児を助けることもあります。人の命がプライスレスなら、巨費を投じてでも一つでも多くのPICUを作るべきです。でも小児一般の健康を守っているのは小児科を標榜する開業医であり、町の病院です。

何が重要か、分からない人たちが作る制度は恐ろしい。

この検討に小児科医は入っているのでしょうか?

全く小児の専門外の人達が自分たちの頭の中の「イメージ」優先で勝手に決めてしまっている気がしてなりません。彼らは小児医療の現場の何が分かっていると言うのでしょうか?ただデータを示せば議論に値するのでしょうか?医師会長とか医学部長とかなら何でも代弁して良いと言うのもおかしなことだと思います。

小児科学会は一体何をしているのでしょうか?

これが産科医療に関してなら産婦人科学会はこんな馬鹿げたことは許さないのではないかとさえ思ってしまいます。

患者の専門医志向を煽ったのは小児科医自身なんですよね。
私が以前いた病院では他科の入院患者でも、全例小児科が副科で就きました。
病院内での小児科のプレゼンスを大きくするためです。
マスコミ等でも盛んに専門医に診てもらいましょうと団塊以上の先生たちは言っていました。
小児救急の多くは内科の先生方がになってくれていたんですけれど、指導医たちの影響か、若い小児科の医者たちは処置が不十分で尻拭いが大変だったとブー垂れていました。
地区の医師会の会長さん(内科)とお話しすると、多くの他科の医師たちは小児科医に対して本音の所ではいい気味だと思っているようです。

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