MRIC:臨時 vol 346 「事業仕分けと御用学者」

投稿者: 中村利仁 | 投稿日時: 2009年12月03日 23:25

 11月17日午後、1時間以上遅れて始まった国立保健医療科学院の事業仕分けで、
驚いたことに医療政策の研究者の個人名が上げられて事業の是非を巡る議論が行われ
ました。

(以下、下記でお読み下さい。)
http://medg.jp/mt/2009/11/-vol-346.html

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コメント

>その意図に反した研究結果に対しては、
>担当する課長補佐から受け取りを拒否され、
>あるいは再考を促されることすらあります。

・実際に受け取りを拒否されたケース
・再考を促されたケース

この二点の実例があると、より説得力が出たと思います

 その部分は別に説得力など無くてもよいと考えています。また、実例を出しても、個別具体的な処分の対象にはなっても、やはりトカゲのシッポ切りで終わってしまうことも目に見えています。厚労省から何らかのアクションがあれば別ですが、そうでない限り個人的にはそんな必要は感じていません。

 問題の本質はそこにないことはお判りと思います。結局の所、実際に「勘と度胸」で意志決定している人の責任を問うべきであり、その言い訳を作っている人たちを責めても甲斐はないであろうと思います。

>研究面での評価を、既に退職した研究者
のたった一つの研究で代表してしまうというのは如何なものか

仕分けの議事録を読んでみないと断定的なことは言えませんが、おっしゃるように、こうした切り口は乱暴ですね。

お役人の恩師に対する仕打ちを不快に思われる気持ちは理解できますが、責任転嫁で名前を出されることについては「御用学者」となって厚生労働省に都合のよい結論を提出した段階で予測されることではありますね。

長谷川先生の研究結果については、なぜ女性医師の労働係数を0.7から1にしたのかとか、同じ年代の医師でも能力の差(症例の少ない僻地勤務の経験しかない外科医と年間何百例も手術のある病院勤務医では外科医としての実働能力に大きな差が生じる)はどう考えているのかなど、現場では異論が噴出していた記憶があります。そういう現場の実感との乖離をフィードバックさせてから最終発表するのは委員会のメンバー全員の責任ですし、最終責任がそれを採用した厚生労働省にあるのは言うまでもないことです。

自社の製品に問題があってリコールになる場合、現場の開発責任者の名前をあげて責任をなすりつける社長がいるでしょうか。
まあ、お役人が保身に走り自分で責任をとらないというのはすでに世間では常識と化していますが、お役人のそういう態度が天下り敵視にも繋がっていると思うんですけどね。

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