臨床研修検討会3
高久
「下條先生のお話ではカリキュラムCが人気ということだったが、これと平出先生の1年目にキャリアに結び付く診療科回すのとは同じか」
平出
「その通り」
高久
「その場合の科とは、特別専門コースのないような例えば整形外科とかでもいいのか」
下條
「資料にある通りで、資料は整形を例に出している」
小川(秀)
「下條先生に伺いたい。はじめと最後に希望の科を回るということだが、それで本当に入局するのか。内訳はどういうところか、人気のない科への対策は」
下條
「途中で専門を変えるのは全く問題ない。内科の場合は昭和43年から即入局はさせてない。2年間内科一般を学ぶようになっている。だから平成16年と17年にも入局者がいた」
小川(秀)
「平出先生に伺いたいのは、メンターがいないということだったが、どうやってメンターを設定するのか」
平出
「現在は最初に来た時に将来希望するという科に言って決めてもらっている。しかし実際には一度も会ったことがないとか飲みに行っただけとかがほとんど。それは当り前の話で、一緒に働いたことがなければ診療科の文化も分からない状態では相談できるはずもない。少なくとも1人で当直していて困った時には電話できるぐらいでないと意味がない」
小川(秀)
「指導医が大変なことへの対策は? ご提案や実施していることがあれば」
下條
「まさに問題の本質はそこで、国立大学病院のスタッフの処遇が非常に悪い。先だって人事院の勧告があって国家公務員の医師の給与が11%上げられることになったけれど、あれを国立大学でやったら全部の病院が潰れるのでないかと思う。彼らの処遇を改善すれば日本の将来も明るいのだが、それがないと問題は解決しない。ウチの大学でも、いろいろな処置をして、正規職員でない特任ポストを増やして指導医にあてるようにはしているが限界がある」
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