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ニュース〜医療の今がわかる

臨床研修検討会3

吉村
「具体的なことはいずれ別の機会として、プロフェッションの中に総合医を入れていただきたいというのと、その研修場所は必ずしも大学病院でなくても構わないだろう。施設基準のことだが、マッチングに参加している医療機関のうち研修医が10名以下しかいない医療機関が8割で研修医全体の30%がそういうところで研修している。ある程度の数の研修医がいることは必要で、育成しながら、育成された医師をどんどん地域へ出すよう、プログラムや施設基準の見直しの方向性をぜひ出してほしい」

小川(彰)
「皆さん方は前2回の両大臣のご挨拶を忘れてしまったんじゃないか。各論をどうするかということではなくて、背景に地方における医療崩壊があり、それを前提にしてこの検討会が立ち上がっているのだから、そこに戻って議論してほしい。

歴史的なことを言えば平成3年に文部科学省が大綱を改正して6年一貫教育になった。それはきちんとした医師をつくりだそうという理念で始まったのだろう。その後、前川基準として医療行為に水準1、水準2、水準3が設けられて、医学生のできる医療行為が明示されたのに、未だに定着しないで言葉だけクリニカルクラークシップと言われているけれど実際のところはどんどん後退している。グランドデザインで提言したように、全体の制度設計の中で議論しないと変な方向に行くのでないか」

永井
「3つの偏在の話があった。卒前まで含めた大きな変革で解消に向かうのか。私が大学にいた時にOSCEやCBTが導入されたけれど、その時にクリニカルクラークシップまで含めたものではなかった。学生の実習については、法改正を含む後押しが必要だろうが、よい医師を育てるのと同時に3つの偏在を解消する方向に進めたい」

辻本
「福田先生が最後に述べられた社会への協力要請は、私たち患者にとっても大事。しかしながら、大学の医学教育でも大学病院での研修プログラムでも、一般の人に協力を得るという意識が最も希薄だったのでないか。この地域医療の危機は、大学だけで背負いこむのでなく、自治体や住民を巻き込まないと解決しない。今国民の医療不信の中では、なかなか解決が難しいと感じる。ただ患者の側にも冷静になろうという萌芽が見えるのでチャンスには違いない。ただそれを厚生労働省や文部科学省が周知するというような上意下達でやろうとしても納得を得られる状況ではないということを認識していただきたい。共用試験に関しても、私もOSCEの講師などに行くことがあるけれど、窓から逃げ出すような学生もいて、そのような学生がたとえ点数をクリアしたとしても、患者として身を委ねる気にはとてもなれない」

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