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ニュース〜医療の今がわかる

臨床研修検討会3

高久
「主な議論は初期研修だが、学生教育や後期研修とも結び付く。とはいえ、この検討会にも限られた期間はあるのだろうから、ある程度絞らざるを得ない。全部の問題を議論するのは不可能。初期のことを主に議論せざるを得ない。その中でも全員しなきゃいかんコアの問題とそれから専門の問題とに最終的には絞らざるを得ないのかなと思う」

平出
「武藤先生のご質問の2年目に同じ現象というのは、希望する科へ行った後にも現行と同じようなローテーションをすればそうなるだろう。必要な科をメンターと相談しながら考えて選択するような形が必要だろう」

嘉山
「高久先生に方向性を示していただいたので、今の制度でも平出先生御説明のように運用の仕組み変えることでかなりいい制度になる可能性はあると思う。ウチは常にCBTは1位の方だから言うけれど、獲得目標の見直し作業をもう一度やったらどうだろうか。大学じゃないところで研修してきた人たちを見ている感想としては、うまくいっている人もいるけれど、質のかなり低い人もいる。教える側も真剣にやってないような病院に行ってしまうと以前にはなかったような質の低さになる。研修場所を広げすぎちゃったのは間違いないのでないか。コンソーシアムにするにしても、きちんと責任者をつくって獲得目標に到達したか検証するべき。大学以外の病院はほとんど自己採点。大学では指導医が採点している。この2点したらよい」

大熊
「今までに出てないことを3つほど言う。医学部の方ばかり呼ばれているので、そうでない一般の臨床指定病院の方も呼んでほしい。医師数減って大変という背景に女性医師の問題があると思う。研修の段階で出産や育児にかかる人もいるだろう。そうであっても研修を辞めないで済むようにはどうすればいいのか検討してほしい。三点目、議論の前提として意外なことに気づいた。若者は都会に集まって地方へ行かないとマスメディアにも出ているし、そうなんだと思っていたら、実は東京の研修医は減って北海道や沖縄の研修医は増えている。一般の先入観と違う現象が起きている。各県でどう推移しているのか、大学とそれ以外でどうなっているのか数字を出してほしい。ひょっとすると大学には入ってないけれど地域へは行っているのかもしれない」

小川(彰)
「この委員会には地方の小さな県の方あまりいないので説明する。下條先生の資料のp59で研修終了後の入局が70~80%ということだった。実はこれいい方で、マッチングの問題より重要なのは研修が終わった後で大学病院に戻ってくるかだ。人口が50万人未満の都市しかないような県が全国の3分の2を占める。そういうところでは帰着率が30%しかない。これで地域医療を守れと言っても無理だ。千葉県でも、銚子市民病院が診療休止して、今度はそのあおりで旭中央が危ないと言われている。同じように来春には、小さなところでは崩壊しているところも出てくるだろう。この委員会の使命は極めて重要だ」

西澤
「私も北海道だから、そういう事情は知っている。初期を終わって大学に戻らずどこへ行ったかだが、大型民間病院なんだろう。大学病院だけでなく、それ以外の病院に入った数も調べる必要がある」

小川(彰)
「北海道は札幌独り勝ちで、他の地域は大変」

西澤
「たしかに札幌、旭川、函館に大病院が集中している。しかし、それ以外の200床ないような病院も必死に研修指定病院をやってる。それは地域の僻地医療を実際に早くから見てもらいたいという気持ちで頑張っている。単純に規模だけで研修指定されなくならないように願いたい」

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