臨床研修検討会4
「では先に資料の5(臨床研修改革たたき)について議論したい。いろいろと書いてあるが全部は無理なので、さしあたって内容をどうするか、期間をどうするか、マッチングは今のままでいいかに絞って議論したい。期間に関しては1年間という意見もあるが急に1年は難しいので、必修1年間であと1年は後期研修につながるような形にして、勝ち取った2年は維持したらと思うが」
斎藤
「基本的な考え方のところに、せっかく両大臣出席の大きな枠組でやっているのだから、医師の教育育成にはお金がかかることを認識すると入れたい。なぜならば指導医の処遇改善が欠かせず、改善しないと長続きしない」
武藤
「2年目をフレキシブルにするにしても1年にするにしても、いずれにしても卒前教育をちゃんとした体制つくって、かなり改善しないとダメ。そこは押さえとかないと」
高久
「その必要性を説明したいが具体的なこととなると、この検討会の範囲を超える。精神としては書き込んでおこう」
永井
「地域、診療科、病院種別ごとの偏在に加えて勤務医不足もノートしておいてほしい。受ける側の希望として大きいと思うので。(略)初期研修の初期というのは、生涯教育の中の初期なんだと思う。というのが後期まで研修だということになると、自治体とかでは臨時職員、非常勤職員の身分処遇になってしまう。(略)」
(略)
高久
「初期は専門研修へとつないでいくもので、そのために2年目はもう少しフレキシブルにする」
辻本
「地域医療枠が1ヵ月になっているが、この地域医療ローテートというのは患者側としては獲得した成果と思っている一方で1ヵ月では不十分という声もよく聞く。保健所へ行って5時半まで待っててねというようなこともあるようだ。ここをきちっと頑張っていただけないか。そもそも地域医療には大学教授や大病院は関心が薄い所でないか」
高久
「おっしゃる通り。第一線の診療所や病院でないとダメよということはある。保健所や療養所では診療能力が身につかない。本当の第一線なら1ヵ月でも、かなりのものが身につくと思う」
武藤
「参考資料で北国の方の大学病院が最初は圧勝していたのに、その後で研修指定病院に逆転されている。これなぜか調べているか」
事務局
「資料は平成15年度の制度開始前からのもので、15年度はストレート研修だった」
武藤
「16年度を起点にしてもトレンドは同じだ。何に起因するのか。北の方は押しなべて大学病院に人気がない。ひとつの答えだと思う」
高久
「大学病院には気の毒な面があって、岩崎先生の研究班の報告によると、学生もいるし研究もしなきゃいかん、で、研修医に集中することができない。研修指定病院ではマンツーマンに近い形で対応できる、と岩崎先生の報告書では、そういうことだった」
福井
「これは厚労省のホームページでも発表しているが、私どものアンケートでは、大学病院に行かないのは一番目の理由がプログラムの問題、二番目が雑用が多いということだった」
大熊
「研修指定病院の条件をきちんと見ていくという話だが、同じように大学病院についてもきちんと見る必要があるだろう。その際には図書館があるとかベッド数とかではなく、プログラム中心に見るべきだろう。参考資料を見ると、やはり研修医が地方ではなく大都会へ行ってしまうというのは伝説に過ぎなかった。事実に基づいて検討しないといけない」
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