周産期・救急懇談会5
「施設の規模と診療体制について」
嘉山
「ここ、すごく違和感がある。舛添大臣の安心と希望のビジョン会議でも、今ある体制を壊さないでということが前提だったはず。絶対的な施設なんかつくれるのか。施設の規模は医者の数で規定される。今回は連絡体制の不備と医師不足が原因だった。こんな方針を出して、今より状況が悪くなったら大変なことになる。(略)補助金じゃなくて医療費でやれば、やるところは出てくる。センターだと補助金で、もらえないところはやらなくてもいいんだとなるから、今よりも悪くなる可能性がある」
補助金と医療費との関係の指摘、目からウロコの落ちるような思いがした。一般の人には違いが分からないと思うのでロハス誌でも扱ってみたい。
岡井
「今の体制を壊さないということは報告書に盛りこんであるつもりだが。山形には山形の事情があるだろうから、それぞれの事情に応じてということは大前提になる」
海野
「だったらそれを書いていただかないと。これは全国版なんだから」
嘉山
「でないと壊れちゃうところが出てくる」
杉本
「とはいっても、規模について最低限必要な線はあるだろう。最初から労働基準法を守れないような所では持続するのが無理すぎる。24時間365日動かそうと思ったら最低でも5人必要。ただ、それだと1人の時間帯ができるから、当然受けられないことも出てくる。だったら20人ぐらい置いとけという意見もあるが、複数が重なるなんてのは、そんなに多くないから、それは効率が悪い。メチャクチャ大きいものは要らないにしても、ある一定の規模は必要なんじゃないか」
嘉山
「大賛成。山形でもそういう風にしている。なぜ私がここにこだわるかというとP7に危険なことが書いてある。5人のイメージではない。日本に1個しか作れないような施設のイメージだ」
有賀
「今、岡井先生は救急医療の体制も含めてという話し方をされた。もし大きな施設を作るんだということになると、初期・二次・三次という救急体制そのものをそう考えるのかという話になっちゃう。ガラス細工のようにできている現在の救急がガラガラと崩れかねない」
岡井
「分かった。周産期の救急に関しては中の人間として知っているし意見もあるが、一般の救急に関しては知らないので逆に伺いたい。今の施設規模が本当に適正なのか。本当の理想から言って」
有賀
「理想の形を言うならば、現在の初期・二次・三次という仕組みをガラガラポンした方がいい」
舛添
「何が規模なのか。ベッドなのか、平米なのか、人なのか。というのが、私の持っている情報がたしかならば、今回の墨東の事案は、送り出した側の五の橋産婦人科には当直医が2人いたはずで、しかし受ける側の墨東には1人しかいなかった。普通の素人の感覚で言うと、規模とは何なのかと思ってしまう。ちょっと何か表か何かつけることができるだろうか。できることは、たちどころに変えたいので、変えるところがあれば、それを明確にしていただきたい」
海野
「規模に関して言うと、現実に存在しているものは書かれているようなものではない。1人当直のところが半分、それが実態だ。それを踏まえていく以上、規模とか診療体制の話は今後の中長期的な議論にならざるを得ないと思う」
岡井
「ここ、もう一度考え直して、皆さんに提示したい」