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ニュース〜医療の今がわかる

明日の臨床研修制度を考えるシンポジウム


続いて慶大総合政策学部の秋山美紀専任講師
「患者にとって、いいお医者さんとはどんな人かについて話したい。私はかつては研究者として住民と患者の中間ぐらいの所から医療を見ていたが、昨年がんになって手術を2回と化学療法を行ったので完全に患者になっていて、また少し研究者の方へ戻ってきたところ。患者になってみて、住民と患者の視点とは全然違うと気づいた。10年ほど前までは医療提供はミニマムでよいのでないかと思っていた。研究を始めて質と効率の両立が大事でないかと考えるようになった。患者になると、いいお医者さんに診てもらいたい、私にとって最適の治療をしてほしい、最適解を一緒に探してもらえるといいなあということ。医療は医師と患者の共同作業という言い方がある。以前はお題目だと思っていたが、患者になってみると、その通りだった。患者の立場で言うと、最適解、EBMを踏まえたうえで個別最適を実現させてくれるのがよい医師。市民、あえてタックスペイヤーと呼ぶが、住民の健康、住民全体の最適を実現するべく専門職としての自律的な調整、ガバナンスを実現してくれるのが良い医師ということになる。そこで実は改めて医師法を読んでみたら、第一条に両方書いてあって、それこそがお医者さんの仕事だったんだと思った。

そのうえで述べたいのは、優秀な医師を育てるのとミニマムスタンダードの確保とは違うのでないかといういこと。いわば柔軟体操と筋トレどっちも大事。私の教えている慶応SFCからは卒業後に医学部に編入する学生が何人か出る。その1人が言っていたのは、SFCの教育は柔軟体操で医学部の教育は筋トレだという。優秀な人を育てるには両方をバランスよくやる必要があって、一律な計画生産では優れた人は育たないと思う。そのためには本人の自立と自律が必要だし、お金や時間もかかる。それをどう社会で負担するのか、国民の議論が必要だと思う。その一方で最低限身につけるべき知識や能力を確保するプログラムは必要なんでないか。素人の考えなので、ぜひこの点について後ほど議論したい(略)」

そのまま休憩なしにディスカッション。

土屋
「亀田先生のお話で、研修医の偏在解消には指導医側の問題があると指摘された点が重要だと思う。偏在解消には二つの方法があって、一つは枠をはめちゃうこと、もう一つはご指摘のように行かない人がなぜ行かないのかの考察をして対応すること。大学は科も人数も揃ってる。さらにプログラムを工夫されたら研修医も戻ってくると思う」

ここからは会場からの意見。
(更新途中)

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