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ナショナルセンター"天下りの巣"化にストップ 参院予算委 

 来年4月に独立行政法人化されるがんセンターや循環器病センターなどの国立高度専門医療センター(いわゆるナショナルセンター・NC)に関して、与謝野馨財務大臣は25日の参議院予算委員会で「来年度予算で財政状況を健全にする」と述べた。多額の債務を背負わされて首が回らなくなり、運営費交付金欲しさに天下りを受け入れざるを得なくなるのでないかとの懸念を払拭した形だ。(川口恭)

 民主党・鈴木寛氏の質問に答えた。当該部のやりとりは以下の通り。

鈴木
「ナショナルセンターが長期債務をどれくらい引き継ぎ、元利払いがどれくらいになっていくのか」

外口崇・厚生労働省医政局長
「今般の経済危機対策でも国立高度専門医療センターの財政基盤の安定強化を図ることとしている。具体的には、独立行政法人への移行時に、借入金債務の一部を軽減させる。金額については、今後の資産の評価等を踏まえながら、関係各方面と協議調整をしていく予定となっている」

鈴木
「2月6日の衆議院の予算委員会で、仙谷議員の質問に対して、厚労大臣が『財務大臣とも相談しながらきちんと対応して参りたい』とお答えになっている。どういう風に相談をされて、どういう風になっているのか、両大臣にお答え願いたい」

与謝野
「医学の進歩、あるいは国民の難病の克服、こういうことに対してのナショナルセンターの重要性というのは、これからも考えていかなければならない。ナショナルセンターの中に、独法化された時の不安というのは非常に強い。やはりスタートするときには、財政的に綺麗にしてもらわないと、なかなかうまくスタートが切れないと。赤字を国からいわば押し付けられるような形で独法というものを経営していけというのは財政上は非常に難しい。ナショナルセンターとしての機能を果たしながら独法であるというためには、そのスタート時における財政状況をより健全にしておくと。これは財務省も了解し、補正というよりはむしろ来年度予算では、きっちりその構えでやらせていただきたいと思っている」

舛添要一・厚生労働大臣
「債務が重くて身動きとれないという状況は避けるという事で与謝野大臣と一致している」

鈴木
「たとえば国立がんセンターのレジデントは、名目上は週30時間で給与が300万だが、実際は週80時間から110時間働いて病院に住み込んでいる。こういう人たちの給料が十分に払われていない。ナショナルセンターが独法化すると、労働基準法からきちんと残業代が払われるようになる。こういうこともきちっと手当てをお願いしたい」

与謝野
「社会的に見て適正な水準の給与、また働いているだけの残業に対する報酬を支払うことと、ナショナルセンターとしての使命感や生き甲斐を得られるようにすること、この両方を充実させていかなければならないと思っている」

舛添
「レジデントが非常に劣悪な勤務環境にあることには、きちんとした処遇をしたいと思っている。分割されるかもしれないが、私は厚生大臣であると共に労働大臣でもある。労働環境をきちんと守っていきたい」

鈴木寛
「同じ話が大学付属病院にもある。独法化してから、ものすごく運営費交付金が削られている。どの位削られているか」

徳永保・文部科学省高等教育局長
「大学付属病院の施設整備、高度な医療を行うための診療施設の整備、こういったものは財政投融資などからの借り入れを行っており、病院収入をその償還財源としている。一般診療経費に加え借入金の償還額、これが病院収入を上回る付属病院に対しては、病院運営費交付金を交付している。経営改善によって毎年度2%病院収入を増額する事を前提として、その当該増額分をあらかじめ運営費交付金から減額する仕組みになっている。平成16年度では584億円交付金があったが、21年度は207億円となっている」

鈴木
「584億円が207億円だから、国立大学はもう悲惨。文部科学大臣、財務大臣にお願いをして、ここをなんとかしていただきたい」

塩谷立・文部科学大臣
「診療報酬の減額等で大変財政状況が厳しい病院があるという事は聞いている。現在ご審議いただいている平成21年の補正予算では、放射線治療あるいは救急医療のための診療用設備、あるいはICU等、周産期医療のための診療用設備、あるいは医療補助職員や看護助手などの新規雇用経費などを計上している。機能の充実と財政運営に対して寄与していると思っている。ただ国立大学の運営費交付金については、これから22年度以降の第二期の国立大学運営費交付金のありかたについて、大学病院がこれから教育、研究、診療の場として十分に機能できるように改善していかなければならないと、この点については検討をする必要があると感じている。中期計画をしっかりと検討して参りたい」

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