薬害防止 何はおいても組織論?
〔大平勝美・はばたき理事長〕こういう時勢だからこそ検討する意義は大きいだろう。薬害再発防止のための徹底した議論から構図が出てくることを、この会は期待されているだろう。
〔寺野〕
国のあり方を変えていくのも大事な役割なのでA案B案もきちんと議論していこう。監視機関も具体化していこう。
〔清澤研道・長野赤十字病院院長〕
公務員型なら運営資金は税金だろう。民間型ならそこがどうなるのか同時に整理していただければ。
〔小野俊介・東大准教授〕
先ほど森嶋先生から、非公務員型だと責任が法的に大丈夫なのかという発言があった。今現在すでに①なわけだが、大丈夫なのか心配になる。確認したいのだが、大丈夫なんだろうか。
〔事務局〕もちろん副作用救済の仕組みはある。承認の最終権限も大臣にあるので公務員の行為として国家賠償法の対象になるだろう。機構が責任を負わなくてもよいのかについては議論のあるところではあると承知している。
〔小野〕どういうカラムを入れるか、薬害を起こさないようにする視点がスッポリ抜けている。そこを出した資料をつくってもらいたい。
〔森嶌〕
市販後の監視を今までは厚労省がやっていた。非公務員組織に出した後で問題が出てきた時に、PMDAが出て行って強制的に処方を止められるのかどうなのか私には自信がない。前と違って1クッションある。「それなり」は、やはり「それなり」。かつてのように最初から最後まで国というのとは違う。
〔寺野〕
小野委員の言うとおり、カテゴリーの問題は考えないといけない。意見はファクスなどでも結構なのでいただきたい。
〔水口真寿美・弁護士〕
現在のシステムでは賠償を負うことに疑問との発言自体に疑問がある。表への異論もあって、①が、なぜ△なのか。独立性とは何からの独立なのか。専門性と一緒に評価することもおかしい。そういうことはあるのだけれど、それ以上に森嶋先生が公務員を増やしたり外局にするのは無理と断定的に言ったけれど、それならここで議論している意味がない。可能である前提で話をしているはず。やるなら、こういう条件になるということなら理解しないでもないが。
〔森嶌〕
そういう趣旨だ。
〔間宮清・薬害サリドマイド被害者〕
国民の生命・健康を守る責任が国にはある。何かあった時に責任を負うのも当然。こういう風に、組織の形によって責任が異なるように出てくることに違和感がある。
〔西埜章・明治大学法科大学院教授〕
項目は整理した方がよい。大臣の責任だけがやけに目立つ。たしかに大臣はそう強調していたけれど、辞めたからといって責任を取ったことにならないのは先ほど発言のあったとおりだ。国の賠償責任に◎がないのも一体どういうことか。もう少し整理していただきたい。いかに業務委託しても、最終的に国が賠償責任を免れることはないと考える。
〔泉佑子・薬害肝炎全国弁護団〕
第三者機関設立のためには薬害防止法が必要でないか。
(以下略)