銚子市民はリスクを分かっているのか 医療構想千葉発足
〔竜〕
国民の医療不信を招いたのは、一部の医療機関が隠蔽してきたから。それは間違いなくあった。それが医療費を減額されても構わないんじゃないかという国民のコンセンサスにつながってしまったのは間違いない。今は、どこも隠さずサーっとオープンにしているはず。
ただ私なんかも手術で何人も亡くしているけれど、それはミスだと思ってないし、被害者加害者という関係もおかしいと思う。医療で死ぬことがあるのは当たり前。そこは分かってもらったうえで、お互いに緊張関係をもてればと思う。今のインフルエンザの問題にしても、ハッキリ言って大したことないなら病院に来ないでほしい。死にそうな人が来たら燃えるんだけど、来なくてもいい人が来ると疲れるし、それに病院には弱い人が入院しているんだから、そういう人にうつすことになるんだと理解してほしい。そういうことの患者教育は必要かなという気がしている。
〔会場〕
千葉の医療再生のためにアドバイスをいただきたい。
〔小松〕
千葉、埼玉、茨城には共通点がある。2025年の高齢者数のピークに向かって、とにかく医師が一番足りないところ。特に太平洋側は千葉、茨城、福島県の浜通りまでひどく医師が少ない。千葉県の人口は600万人だから割合から言えば医学部が4個あってよい。しかし千葉大1個しかないうえに、千葉大は西しか向いてない。しかも千葉大は他の医局から院長が来ると医師を引き揚げたりするらしい。何をやっているのか。
千葉に必要なのは医大。千葉大が西しか向かないならそれで構わないから東と南をカバーできるように1学年200人ぐらいのメディカルスクールをつくったらどうか。千葉県単独でなく、茨城や福島と組んだって構わない。
〔亀田〕
うちも4月に学校法人を立ち上げた。2012年に4年制の看護大学を設置して、この先は介護系にも乗り出す。メディカルスクールも法改正があれば手を上げる。いずれにせよ「IHN」をつくって集中と分散をきちんとすることだ。銚子は、旭が市立病院じゃなければ十分にサテライトでできたはず。あそこは旭がトップ、安房はウチがトップのIHNでやればいい。
千葉大の話が出たが、あの大学病院がなければ千葉はもっとよくなる。千葉大もよくなる。アフィリエイトホスピタルとして市中病院の部長を臨床教授にして学生や研修医を送り出せばよいものを、全部抱え込もうとするからおかしくなる。ウチがもしメディカルスクールをつくったとしても亀田を大学病院にはしない。旭、松戸、君津、成田にお願いして、アフィリエイトホスピタルになってもらって、高くはないにしても教授の給料をお支払いして、全県でやっていく。それができたら、まさに千葉大包囲網になってしまう。別に敵対しようというつもりはないのだけれど、なぜウチの3分の2しか症例がないのに、5倍も研修医を集めようなどとするのか。だから研修医が集まらないのだということに早く気づいた方がよい。