骨髄バンク訴訟 ドナー経験者として悲しい
--大絶賛ですね。
骨髄バンクは、とても素晴らしいシステムだと思っています。もっと運動が広がるといいなあと思ったので、実は財団の広報活動に協力しまして、『バンクニュース』のインタビューにも答えました。それで骨髄移植推進財団の広報の人ともやりとりしましたけれど、本当にバンクのことを考えて広報されてました。コーディネーターの人といい、財団には素晴らしい方が揃っていると思いました。
--でも、『東京の会』に参加してたら財団への辛口の意見も聴くでしょう。
そうなんですよ。訴訟が2件あるという話で、1件は元財団役員から『東京の会』が会報の内容について訴えられているもの、もう1件はこの間判決の出た山崎裕一さんの。
--訴訟のことを聴いて、どう思いましたか。
何それ? と思いました。深い事情があって、それを私が知らないだけなのかもしれませんけれど、率直に言って悲しいです。裁判が行われているというだけでイメージ悪化につながるじゃないですか。
ドナーの立場で考えると、医師や医療やバンクのシステムを信頼できなければ、提供なんて怖くてできません。今の医療技術とバンクがあるから、これまで1万件も死亡事故なしなんだと思ってきました。それなのに、今回の2つの訴訟は、元々の原因がセクハラとかパワハラとか訳の分からない話で、信頼を大きく揺るがすものだと思います。
--実際に接した財団の方々は素晴らしかったんですよね。
実際に接した人は素晴らしいのに、なぜか財団の上の方から出てくる印象は違うんです。
実は、財団を訴えていた山崎裕一さんと、全国骨髄バンク推進連絡協議会が昨年開いたイベントのボランティア同士として会いました。解雇の理由として、山崎さんが元役員の誹謗中傷をしたからと財団は言っていますけど、そんなことをする人とは思えませんでした。私が実際に接した財団の方々と同じように誠実で。