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入院期間の評価、「病床規模の差はほとんどない」 ─ 厚労省

■ 「算定式との関係が私の頭では理解しにくい」 ─ 牛丸委員
 

[牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)]
 4つ質問させてください。まず第1点は、「効率性指数」。これを計算する分母の「当該医療機関院の患者構成が(全DPC対象病院と)同じと仮定した場合」というのは、どういう場合なのか。具体的にどういう計算をするのか、あまり細かいことは結構なので、大体分かるように説明していただきたい。

 それから、2番目は「複雑性指数」。1番目の「効率性指数」は、平均在院期間が短いほうが......。それが、重症の場合には必ずしも短くならないということを考慮した場合に、それを考えなきゃいけないということで、「複雑性指数」が考えられていると思う。
 その考え方は分かるが、そのことと、ここに出ている算定式との関係がどうも私の頭では理解しにくいので、その算定式が重症度を考慮するようになっているのか、そこを説明していただきたい。

 それから3点目は、「複雑性指数」「効率性指数」を病床規模、DPC算定割合などで差異があるかという説明があった。これ、視覚的に分かりやすく図を描いたと思うが、実はこの左側の目盛りを小さくすることによって変わってくると思う。
 私は統計的なことはよく分からないが、こういう3つの要素によって、この違いというものがどうなのかという有意性は考慮されているのかどうか。これが3つ目。

 それから4番目は、先ほど対馬委員が提案していたことにかかわるが、今回出ている2つの指標、それぞれ仕組みがあると思う。どちらの指標も算定式を見ると、平均値が乖離するかどうか、乖離がどの程度かということに関しては、その(指数の)範囲内では意味がある。プラス0.1とかマイナス0.1とか。

 ところが、ここで出てきた数字と最終的に......。先ほどの説明では、「今後検討していく」ということをおっしゃったが、最終的にはこの2つの指数が「(新たな)機能評価係数」に反映されていくわけだが、2つが合わさったときに、それぞれのところで0.01などのプラスマイナスは意味があるが、今度はこれが合算されたときに、全く違う世界......。「全く」とは言わないが、違う領域なので、それをどう合わせていくか。

 そのときには、慎重さとその根拠というか、それが非常に重要だと思う。これは今日、お答えできないかもしれないが、対馬委員が懸念されていたことと同じように、私も非常にそこを懸念している。何かお考えがあればお聞かせください。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 最後の質問については、今後、「(新たな)機能評価係数」をどういうものを係数にするかが確定した段階でどうするかを基本的な考え方として、ここで議論すべきだということは事務局(保険局医療課)に伝えてあるので、恐らくその過程において、今のようなこともあるだろうということで、そういう形で検討を予定しているということで......。

 事務局(保険局医療課)、それでまずよろしいですね、段取りとして。

 はい、それ以外の3つのご質問だが、「効率性指数」と「複雑性指数」の図、計算式からどういったことを読み取ればいいのかというご説明をしていただければよろしいと思う。もう1つは、病床別での有意性決定のようなことが行われているのかどうか。

[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
 医療課企画官でございます。まず1点目の「効率性指数」の算定式の「全DPC対象病院と同じと仮定した場合」のご質問だったと思う。これは、DPC病院すべての患者さんのデータが集められているわけで、その中で、例えば「何病の人は何人」とか、「このツリーの人は何人」とか、そういう数字がある。

 それを、「何人」というのを、「全体で占める割合は何パーセント」というのが出てくるわけで、そういった患者構成を基準として......。つまり、これはよく人口(統計)などで基準人口などを決めたりして計算をする場合があるが、それと同じような発想で、こういった患者の構成割合、全体のものを基準として考えたときに、当該病院の在院日数がどのようになっているのか、そういった、その基準に合わせて補正をしたというか、そういう計算。

 それから、2点目の「複雑性指数」については、基準を患者さんの構成割合ではなくて、「それぞれの病気の平均在院日数が何日である」というものを基準にするというか、「何病をどういうツリーであれば在院日数は何日」というものを固定させて、それを当該病院の患者さんに当てはめるということになる。

 ですから、その病院で自主的に在院日数を短くするとか長くするというものは反映されずに、患者構成自体が在院日数の長い患者さんが、平均的に考えてたくさんいる場合に、この(複雑性)指数が高くなるということ。

 全体的に考えて在院日数が長い患者さんというのは、重症の患者さん、あるいは大きな手術をした患者さんなどが多いということがあるので、そういうものを評価すべきではないかということで、この指数が(厚労省の意向に沿ったDPC評価分科会で)提案されているということ。

 それから、3点目の箱ひげ図だが、これは有意性の選定とか、そういう話ではなくて、あくまでもこの図はそれぞれの分布を示したものなので......、そういった性質のものなので、特にこれで決定するという話とはまた別と考えている。

[遠藤委員長(中医協会長)]
 はい、ありがとうございます。牛丸委員、よろしいだろうか。(牛丸委員、うなずく)

 ほかにございますか。西澤委員、どうぞ。


 【目次】
 P2 → 「病床規模による差はほとんどない」 ─ 厚労省
 P3 → 「新たな機能評価係数を入れる理由は投入量分布だけか」 ─ 対馬委員(支払側)
 P4 → 「二重評価に一定のクライテリアがない」 ─ 藤原委員(日医)
 P5 → 「算定式との関係が私の頭では理解しにくい」 ─ 牛丸委員(公益委員)
 P6 → 「新たな機能評価係数の設定と改めて書いてあるが」 ─ 西澤委員(全日病)


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