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政権交代で、包括払いはどうなる?

■ 「ポスト・アキュートを明らかにすることが目的」 ─ 椎名委員
 

[椎名正樹委員(健康保険組合連合会理事)]
 (報告書案)一番最後のページ(中・長期的課題とされた事項について)の下から3行目。

中・長期的課題とされた事項について
 来年度以降、慢性期医療を担う医療機関や施設について新たな横断的調査を実施する必要があり、その際には、基本問題小委員会と相談しながら、急性期、亜急性期(回復期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、調査設計の段階から慎重に議論を進めていくべきである。
 「基本問題小委員会と相談しながら、急性期、亜急性期(回復期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう、調査設計の段階から慎重に議論を進めていくべきである」という部分だが、まず「急性期」の定義は、基本的に今後の中・長期的な課題だと思う。
 ここで、「急性期」と(いう表現を)ボコッと入れると、「この分科会が急性期まで議論するのか」という誤解を与える恐れがあるのではないか。
 さらに、「亜急性期(回復期)」。このカッコの意味が分からない。「亜急性期」というのがこれまた、こういうものが存在するのかどうかも含めて定義がはっきりしない。

 そういう意味で、基本的に今後の分科会の調査の課題は、(発症直後の急性期を経過した)「ポスト・アキュートの医療」の実態を明らかにするということが大きな目的ではないか。
 ですから、「急性期、亜急性期(回復期)、慢性期それぞれの状態像が描けるよう」と、なかなか文学的な表現だが、やはり(当分科会は中医協下部組織の)調査専門組織ですから、明快な意味が分かるように書き換えるべきだと思う。

[武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長、博愛記念病院理事長)]
 私も賛成だが、(急性期治療を経過した患者を受け入れる)「亜急性期(入院医療管理料を届け出ている)病床」は1万ぐらいあって、レセプト上は(算定要件が厳しいので)8000ぐらいしかないと聞いている。

 実際、(慢性疾患の高齢者らが長期入院する)「医療療養病棟」(で最も重度の患者が入院する区分)の「医療区分3」のほうが、(亜急性期の病床よりも)はるかに重度の患者さんがいた。
 そういう意味では、亜急性期的な、「ポスト・アキュート」を診られる(療養)病床を増やすという意味では賛成だが、それが、「亜急性期病棟という概念にハード面も合致した所でないと駄目だ」という囲い込みをするよりも、もう少しフレキシブルに、その病態が診られる所であれば診る。
 この分科会としては、椎名委員がおっしゃったような(発症直後の急性期以後の)「ポスト・アキュート」というところで、(亜急性期の)概念を少し丸くしたほうがいいと思う。

[池上直己分科会長(慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授)]
 (中医協)基本問題小委員会から(当分科会に)付託された事項の「中・長期的な課題」として、「医療療養病床と機能が近接している病床等を含め、慢性期医療に係る調査・分析を行うこととなった」という表現になっている。

当分科会に付託された検討事項
① 短期的課題
 平成22年度診療報酬改定に向け、医療療養病床に関して以下の項目を検討することとなった。
○ 患者分類の妥当性の検証
○ 各医療機関における分類の適切性の検証
○ 提供されている医療サービスの質の検証

②中・長期的課題
 医療療養病床と機能が近接している病床等を含め、慢性期医療に係る調査・分析を行うこととなった。

 ここで、「亜急性期とは何か」「回復期とは何か」というと、また込み入った議論になるので、この「中・長期的な課題」の文面をこのまま使えばどうか。

[椎名委員(健保連)]
 はい、それで結構です。(中略)

[池上分科会長(慶大教授)]
 言葉の定義で時間を要する可能性があるので、これについては、もうこれで全員合意したので修文していただく。(以下略)

 
 
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