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「民主党に依存しては駄目」 ─ 社会保障基本法シンポ

■ 「憲法25条の実現を求めるアピール」
 

 この間、世界を席巻してきた新自由主義的な政治と政策は、この国では「構造改革」という形で具体化されました。それは、この国のありようを変え、多くの人の命と暮らしを奪いました。
 自殺者は、1998年以降11年連続で年間3万人を超え、今年の3月以降は、月間3000人を超えています。なかでも30代という若い世代の自殺が、10年前に比べて3割以上も増えている現実は、私たちに、この社会がいかに病んでいるかを教えてくれます。
 厚生労働省は、その調査で、昨年10月から今年9月までの間に、23万人以上の非正規労働者が職を失ったと報告していますが、彼らの中には、失業と同時に住まいを失い、生活の保障を求める術もなく路頭に迷い、あるいは餓死するという驚くべき状態の人たちがいます。この状態を、今日のシンポジウムの呼びかけ人の一人である湯浅誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)は、「すべり台社会」と表現しましたが、このすべり台社会を生み出した原因の最大のものは、間違いなくこの国の社会保障制度の欠陥にあります。
 ところが、その問題ある社会保障ですらが、「構造改革」における重点改革の対象にされ、容赦のない削減にさらされてしまったのです。今日のシンポジウムでも、社会保障各分野の「崩壊」状態が、現場からの告発によって明らかにされましたが、私たちは、いったいいつまで、こんな状態を我慢するのでしょうか。
 この国の社会保障は、どうあるべきなのでしょうか。この国に暮らすすべての人の生命と暮らしを、これからの政治は、そして行政は、どう守っていくべきなのでしょうか。
 新しい政権がスタートし、社会保障立国を目指すと言われている今こそ、私たちは、政治に要求し、政治を変えなければなりません。
 「構造改革」は、ストップさせましょう。
 国や自治体が、社会保障に対して、しっかり責任を果たすよう働きかけましょう。
 そして、国民生活の土台を教育や社会保障によって厚く支えることで、国としての活力を生み出す福祉国家への道をめざしましょう。
 それが、日本国憲法が本来めざしているこの国の姿であり、その実現は、政府に憲法25条をどう具体化させるかにかかっています。
 私たちは、今後も「社会保障基本法の立法化」など、「25条実現」の道筋と方法について考えあう取り組みを継続するとともに、目標を共有する人々の新たなネットワークづくりを始めることを提案します。
 「社会保障で幸せになれる国」をめざして、頑張りましょう。

                2009年9月27日
                「貧困をなくし社会保障を守る『基本法』を考えるシンポジウム」参加者一同
 
 


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