「中医協改革」に抵抗? 改定の主戦場を移すか
■ 大枠は社保審、個別議論は中医協
今後、総合的な医療政策にかかわるマクロの部分は社保審の両部会で決め、具体的な点数設定などミクロ的な部分は中医協で議論するという形で両者の役割分担を図る方針か。とすると、救急医療の諸問題に対し、どのような政策で臨むつもりだろう。
厚労省は救急医療対策として、「ヒトよりもハコ」という考えを重視しているように見える。同日の説明で、佐藤課長は次のように述べた。
「医療機関の受け入れが困難になる例、あるいは短い時間で受け入れ先が確保できない例というのは、たいていは『医師不足があるのではないか』とか、『医療機関の数が少ないからじゃないか』というふうに思われがちだが、実を言うと、この図(救急搬送における医療機関の受入状況)を見ていただくと、(受入照会)4回以上の事案や、(現場滞在時間)30分以上の事案が意外に首都圏とか、大阪圏のように比較的人口が多く医師も多く、医療機関も多いはずの所なので、なかなかこの問題、難しいということが理解できると思う。つまり、単純に医師が多ければすぐにすんなり受け入れ先が決まるというわけでもない。(救急受け入れ困難は)かなり難しい事案であるということが分かると思う」
診療報酬改定の主戦場が社保審なら、古巣である医政局が議事をリードすることになる。保険局医療課で影が薄い佐藤課長にとっては、肩身の狭い中医協より過ごしやすいかもしれない。
【※ 中医協改革に関する民主党議員の主な発言】
■ 中医協改革は行政刷新会議が扱う-民主党・鈴木寛参院議員(9月16日)
■ 診療報酬改定「調査体制の整備が必要」-民主党・鈴木寛参院議員(9月15日)
■ 中医協公益委員に患者や納税者を-民主党・鈴木寛参院議員(9月14日)
■ 「公益委員は医療を分かっているのか」―民主党・仙谷由人衆院議員が中医協を批判(9月5日)
■ 中医協「なくすか、改革改組か」―民主党・仙谷由人衆院議員(9月5日)
■ 日医・唐澤会長は自己批判と反省を-民主党・仙谷由人衆院議員(9月3日)
【中医協委員の任期切れ問題】
■ 中医協 日医出身3委員の留任なるか 長妻路線の試金石
■ 中医協、今こそ大胆な改革を