政権交代、「チャンスを機に日本を良くする」 ─ 本田宏氏の講演
■ 新政権に期待したいのは、新しい雇用の創出
経済というのは、実は医療に関係しています。最近、世界でのキーワードは「不平等社会」、「健康格差」ですね。不平等になると、健康にまで格差がきます。平均寿命まで変わってくるんですよ。これ、有名なデータです。確かに若い方、派遣切りなど、もちろんどうにかしなきゃいけないですが、長期的に寿命まで短くなってしまうんです、格差社会というのは。とんでもないということです。
これ(スライド)は、日本の病院、アメリカの病院。ある国立病院のスタッフの数を見ると、日本の医療現場には絶望的と言っていいほど医療者が少ないです。医師も少ない、看護師も少ない、レジデントも少ない、(医療)秘書さんもいない。患者さんの搬送係もいない。高齢化に伴って、福祉や介護もそうですが、そういうところに人を充填してこなかった。ということが、こういうマンパワー不足。
ですから、少ない医師と看護師が......、それをサポートする人がいなくて働いてるというのが医療現場なんですね。ですから私が新政権に期待したいのは、良い意味で医療に、人が雇えるように、新しい雇用の創出。これは社会福祉も介護もそうです。全部そうですね。保育所もそうですよ。そういう所で人が働ければ、世の中が変わってくる。今こそ、発想の転換をして、こういうところで雇用をつくってくれないかな、こう思っているわけです。
【目次】
P2 → 現場が分からない霞ヶ関がどんどんルールを決めていく
P3 → 全国各地が医師不足で医療が崩壊
P4 → 新政権に期待したいのは、新しい雇用の創出
P5 → 医療崩壊を食い止めるのは、国民みんなの社会的責任
P6 → 政権交代がない民主主義は、民主主義ではない