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中医協人事、「厚生労働省の大臣が決定した」 ─ 厚労省課長

■ 「厚生労働省の大臣が決定した」と理解したほうがいい
 

── 社会保障審議会について、長妻大臣は「直ちに開かなくてもいい」などとおっしゃっていましたが、基本方針を直ちに策定しなければならない状況ではないのですか。
 そう(直ちに策定すべき)だろうと思います。えっと......、そうだろうと思います。ただまあ、昨年(前回改定)に比べれば、(社会保障審議会両部会の)スタートが早かったので、「今すぐにやらないとどうにも動かない」ということではないと思います。
 ただ、これも......、私が直接ではないので、総務課がやっておりますので、平行して人選については検討していく。もちろん、大臣その他、政務三役と協議しながらやっているという状況です。

 ▼ 社会保障審議会のメンバーから日本看護協会(坂本すが委員)を外す案がある。社会保障審議会の医療保険部会で改選期を迎える6人のうち、岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)と、岩本康志委員(東京大学大学院経済学研究科教授)は再任される見通し。
 残る4人は、▽磯部力委員(立教大学法学部教授)に代えて、和田仁孝・早稲田大学法科大学院教授 ▽大内尉義委員(東京大学大学院医学系研究科教授)に代えて、高原晶・諫早市医師会長(高原内科循環器科医院) ▽坂本すが委員(日本看護協会副会長)に代えて、紙谷克子・筑波大名誉教授 ▽西村周三委員(京都大学副学長)に代えて、大谷貴子・全国骨髄バンク推進連絡協議会会長─を選任する案がある。
 なお、医療部会と医療保険部会を合併して現在40人の委員を20人に削減することは、審議を効率化するという点からもぜひ実現してほしい。

── 診療報酬の決定プロセスは例年通りと理解してよろしいですか。
 (笑いながら)私どもが聞くところでは、大臣からもお話がありましたように、社会保障審議会のメンバーについても十分考えるというお話でしたので、ということは、裏返して言うと、役割が変わるかどうかは分かりませんけれども、それを今、直ちに潰してということではないというふうに理解していただいていいんじゃないでしょうか。

── 診療報酬改定で、日本医師会にいろいろと(疑義解釈委員会で)やってもらっていることがありますよね。それは今後......。
 私見ですけれども、「中医協委員だから日医に協力を求めない」とか、「中医協委員がいないから協力を求めない」ということはないと思います。
 インフルエンザその他の公衆衛生政策でも、「委員だから」とか、「委員じゃないから」ということではなく、現場の先生方に情報を正しくお伝えして、広く迅速に周知するという点から言うと、「中医協委員から外れたから情報が遅れる」とか、「連絡しない」ということはないんじゃないでしょうか。

── 日本医師会に対して、今後も厚労省からいろいろなお願いをしていくことになるわけですよね?
 これは、大臣その他政務三役と十分に話しますが、ま、この時点における私どもの見解として言うならば、単に「有識者」という形で今まで入っていただいていたわけではなくて、地域の医療を代表する者として入っていただいているわけだと思います。
 「地域の医療を代表する」という意味で、とにかく迅速に丁寧に情報を伝えるという意味では、「中医協の委員だから」ということではなくて、必要に応じて適宜適切に情報を伝えていきたいと思います。(ニヤッと不敵な笑みを浮かべながら)そうでないと、現場が動きません......、ね。

── 大臣が個人として任命するのですか、団体推薦ではない段階で任命するのですか。
 あの......、ちょっと丁寧に説明しますと、(中医協汚職事件を受けて設置された)平成17年7月の(中医協の在り方に関する)有識者会議までは団体推薦が残っていたのですが、その後の中医協法(社会保険医療協議会法)の改正では、団体の推薦という言葉は抜けていますよね。

○ 社会保険医療協議会法3条
厚生労働大臣は、第一項第一号に掲げる委員の任命に当たっては医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得ると認められる者の意見に、同項第二号に掲げる委員の任命に当たっては地域医療の担い手の立場を適切に代表し得ると認められる者の意見に、それぞれ配慮するものとする。
 そういう意味では、地域の医療を代表する者の意見を聴いたけれども、最終的には「大臣が決定された」、「厚生労働省の大臣が決定した」というふうに理解していただいたほうがいいと思います。それは、これまでとあまり変わらないと思います。
 ただ、そのプロセスにおいて、団体の推薦を受けるのか、はたまた団体の推薦は受けていないけれども地域の医療を代表する者であるか、その差だろうと思います。

 ▼ 今後、中医協や社会保障審議会は医療政策を決める上でさほど重要ではなく、新たに設置される「国民会議」がカギを握ると考えるべきだろうか。とすると、この会議の主導権争いがどうなるかが注目される。長妻厚労相の政策ブレーンとされる埴岡健一氏(日本医療政策機構理事)と厚労官僚のタッグはかなり協力。「日医外し」の問題に気を取られていると、気付いた時には......。
 
 
 (この記事へのコメントはこちら
 

【目次】
 P2 → 大島専門委員から「同意を頂いていた」?
 P3 → 「厚生労働省の大臣が決定した」と理解したほうがいい

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