チーム医療 「分数できない子が来るのに、質を担保できるか」
しかし私たちが陥っている専門学校の現状は、分数の足し算・引き算ができない子が入ってきている。ありえない。考えられるか皆さん。それをどう教育するのか。教育の方法論じゃなくて大学という肩書きがないと、それなりの子供は来てくれない。それで国民の命と健康と生活を守れと言われて、どなたかがおっしゃった志と気概のある子なんていない、残念ながら。行く所ないから来ちゃったというのばっかりだ。これが専門学校の実態であって、その中でチーム医療というのならチームのメンバーの実力をどうやって上げるか極めて大事なことなのに、そこが全く抜け落ちている」
児玉直樹・高崎健康福祉大学准教授(放射線技師)
「我々も全く同じ意見。大学に関しても、文部科学省からはリベラル教育をしなさいという通知が出ている。それはAO入試、推薦入試が多様化していて、学生の青田買いが起きている。そういう学生に対して英数国を高校の参考書を使って教育をして、2月3月までにある程度のレベルまで行く、こういうことが大学でも起こっていること。医療系の大学だけではないと思うけれども。
あと職業動機、選択動機に関しても、職業意識もないし、選択動機もものすごく甘くて、ものすごく退学者が多い。コメディカルに限らず大学全部がそう。恐らく看護もそうだと思う。入っては来るけれど、違うんじゃないかとなってしまって、そういう心のケアまで含めてやっていくと教育現場で、ものすごく時間を使われてしまうことになる。
それから医療従事者の中に医師以外の『等』に含まれる人たちは、議論の場もなかったし、訴える場もなかった。たとえば要望なんかを出してもメディアの人が光を当ててくれない。OECDのヘルスデータを見ると、医療従事者全体が少ない、日本は。医師・看護師だけが不足しているような報道があるけれど、それはちょっと違うんじゃないか、というのが我々の考え方」
鈴木
「おっしゃる通りで、診療報酬が7年間か8年間で1割下がっちゃったことで、一番しわ寄せが来ているのが医師・看護師以外の、設置基準からこぼれている人たちを減らすということでしわ寄せが来ているのは、その通りだと思う」
半田
「文部科学省のデータで、専門学校に来ている生徒たちにアンケートを取ったのがある。60%の子が、高校時代に自宅学習を1回もしたことがない。それで今の医療職を構成しているという現実を本当にいいんですか」