11月11日の中医協 (ブリーフィング)
厚生労働省は11月11日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の基本問題小委員会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)
[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
今日の基本問題小委員会について、ブリーフィングをさせていただきます。
本日は、認知症対策、入院料、在宅医療、訪問看護について議論が行われました。
■ 基本問題小委員会① ─ 認知症対策
お聴きになっていただいている通りだと思いますので、特段、こちらからは......。
今日は基本問題小委だけでしたので、認知症は前回の残りとしてやりました。「(認知症対策は)重要な課題だ」というご指摘がありましたので、引き続きまた議論します。
○ 論点▼ 前回は時間不足のため資料配布のみで、今回に繰り越された。意見交換では、退院後の支援の必要性、認知症患者を受け入れる中小病院の評価、専門医療機関と地域のかかりつけ医との連携の評価などを求める意見が診療側委員から出された。ADL評価の難しさを指摘する声もあった。
1 認知症に係る入院では、条件が整えば退院可能な患者が多くいるが、適切に介護保険と連携し、認知症にかかるネットワーク(相談・支援体制)の整備を進めて行くために、診療報酬上、どのような対応が考えられるか。
2 療養病棟においては医療区分やADL区分に応じた評価が行われているが、精神療養病棟では、患者の病態像によらず一定の評価となっている。認知症による入院患者については、ADL への濃厚な支援が必要との指摘もあるが、診療報酬上、どのような対応が考えられるか
3 認知症に係る外来医療について、専門医療機関と地域のかかりつけ医が連携して医療を提供していくため、診療報酬上、どのような対応が考えられるか。
これに対して支払側委員は、認知症患者の実態を調査すること、ボランティアの活用など地域で支える仕組み、医療保険と介護保険との関係を整理する必要性などを指摘した。また、坂本すが委員(日本看護協会副会長)は、退院支援や精神科看護に対する手厚い評価を求めた。厚労省の担当者は、認知症を早期に鑑別診断するセンターを整備する必要性を挙げた。
【目次】
P1 → 基本問題小委員会① ─ 認知症対策
P2 → 基本問題小委員会② ─ 入院料
P3 → 基本問題小委員会③ ─ 在宅医療、訪問看護