文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

11月13日の中医協 (ブリーフィング)

■ 基本問題小委員会③ ─ 障害者施設等の機能分化の促進のための移行措置
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 「障害者施設等の機能分化の促進のための移行措置」ということで、参考資料の18ページ(H20年改定の具体的内容・障害者施設等)を見ながら聴いてください。平成20年度改定で障害者施設や特殊疾患療養病で、脳卒中の患者さんの位置付けについて議論がございました。

 これは「重度の肢体不自由児(者)」など、いわゆる難病の患者さんを念頭に置いていました。(重度の肢体不自由児(者)が)7、(その他の患者が)3と、ここには書いたのですが、実際には6割ぐらいが脳卒中や認知症の患者さんだと思います。そういう意味で言うと、本来は難病の患者さんなり重症の神経病患者さんのために用意されていた病棟が、主たる目的でない人の入院施設として使われていたという実態がありました。
 このため、20年度改定で「7対3」の「7」に脳卒中や認知症の患者さんを入れるのではなくて、「3」の「その他」ですね、神経難病などでない取り扱いにするということにさせていただきました。

 ただし、今まで入院されていた方の行き場がなくなるという問題も当然ございましたので、それ(追い出し)を緩和するという観点からですね、2つのこと(経過措置)をやっている。
 1つは、患者さんが療養病床に転床する場合。療養病床が同じ病院の中にある場合もあるし、ほかの病院の療養病床に移る場合もあります。そういう場合、「医療区分1」の方は2、「医療区分2」の方は3ということで、(点数が)上の区分の点数を算定できるというルールをつくり、転院先が見付かりやすいようにしました。

 それから、経過措置の2つ目はそもそも障害者施設や特殊疾患療養病棟を完全に療養病床に転換、転床しますという場合に、その新しく転床した中に脳卒中や認知症で(入院して)いた方は点数が上の区分を取れますという取り扱いを、平成22年3月末までという経過措置にしていました。

 この取り扱いについては、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)から、「療養病床がどうなっているか、もう少しデータを示してもらってから(経過措置の)延長を議論すべきではないか」という話がありました。おおむね、それ以外の方は(経過措置を延長しても)いいのではないかという雰囲気を感じたのですが、確かにエビデンスということであればそうだと思いますので、次回以降ですね、そういうデータを探して、推計値などになるかもしれませんが、準備してご議論いただきたいと思います。ちょっと丁寧に説明しましたが、以上です。

○ 論点
障害者施設等が今後更にNICUを経た患者の受け皿となるなど、その期待される役割を担うため、その他の入院患者が長期療養にふさわしい病床に転院することに対する支援を目的に、前回改定時に設けた経過措置について、どのように考えるか。

【目次】
 P1 → 保険医療材料専門部会 ─ 平成22年度保険医療材料制度改革の論点(案)
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 医療機関連携
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 入院中患者における他医療機関からの診療・指導
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 障害者施設等の機能分化の促進のための移行措置
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 入院医療における多職種共同の取組み

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス