「新しい『日医』の定款を用意している」-小松秀樹氏
勤務医の立場から"医療再生"を訴え、日医に代わる新しい「公」的な医師組織の在り方を提言する小松秀樹氏(虎の門病院泌尿器科部長)は22日、全国医師ユニオンの集会に参加し、日医は社会的な存在意義をなくしており、公益法人制度改革では「公益社団法人」を選択できないと主張した。その上で、日医の受け皿となる新しい法人について「作戦を立てている」と述べ、既に小松氏の方で新しい定款を準備している事を明らかにした。(熊田梨恵)
勤務医らからなる国内初の医師労組「全国医師ユニオン」が都内で開いた集会に参加し、会場から発言した。
2006年に公布した公益法人制度改革関連三法では、法律の施行後、現行の社団法人は5年の移行期間の間に公益社団法人への移行の認定か、一般社団法人への移行の認可が申請できる。移行しない法人は解散したとみなされる。社団法人である日医も選択を迫られている。
小松氏の発言は次の通り。
私が今日ここに来たのは、全国医師連盟、全国医師ユニオンは今はまだ数は少ないみたいですが、非常に重要なポジションになると思うんです。無茶苦茶重要になると思います。私は「日本医師会三分の計」を去年出したのですが、基本的に日本医師会は内部分裂で無茶苦茶になっていて、社会の中で存続する存在理由がなくなっています。あれをどうするかの作戦を今立てているんですけども、基本的にはあと4年1か月以内に新しい組織に変わらないといけない。それで、公益法人になるにはすごくハードルが高い。それをちゃんと主張して、公益法人にさせない。今のままでは公益法人にさせないというのと、その受け皿として、新しい公益法人の定款を作っていて、「これでやりなさい」と。それはもう用意している。
(*こちらも参考に)
勤務医も開業医の先生も基本的に同じ。それはどういうことかというと、個別経済的なものは、業界団体の方でやる。ここでは基本的に「自律」をやりましょうと。「自律」と「情報」。日本医師会が自主的にやっていたのは、医療費に関して厚労省の監視をやっていたというが、「情報」の方が今は弱い。「情報」をもっと大量に出させる。「情報」というのは、例えば、「ビザカード」は銀行が出資してやっているところですが、あれはお金の流れを把握していて無茶苦茶力がある。それと同じようなのを我々もやる。自分では主張はしないけども、材料を提供するような団体を作る。
多分、開業医の先生は自営業者なので、自分たちの利害を主張できる団体を作って当然なんです。実際、開業の先生は設備投資があるので、勤務医よりは高い収入がないといけません。差があって当然なので。それと、ちょっとですね、勤務医の方がちょっと仕事が面白いんです。面白いことをやっている人は給料が少なくていいというのは、日本の江戸時代に権力と名誉と金銭とを分けてきたことで、勤務医はみんなその辺は納得していると思う(会場笑い)。
その辺のところを日本医師会があるがために、勤務医と開業医が別れているように見える。それは日本医師会の主張によってそうさせられたんです。そこのところを主張しない団体を作るような方向にもっていきたいというのが思っているところ。
勤務医の利益団体が、病院への収入を増やすということには具体的にはならないです。病院収入を上げる団体は、やっぱり病院団体。勤務医のもっとも重要な利益団体が全国医師連盟だと私は思っている。ものすごく大きな役割を果たされるに間違いないと思っています。ぜひよろしくお願い致します。
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