12月2日の中医協 (ブリーフィング)
厚生労働省は12月2日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の総会と基本問題小委員会、薬価専門部会を開催した。会議終了後に厚労省の担当者が行ったブリーフィング(記者説明)の模様をお伝えする。(新井裕充)
【前回までの中医協】
○ 11月27日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月25日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月20日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月18日の中医協 (ブリーフィング)
○ 11月13日の中医協 (ブリーフィング)
■ 総会 ─ 薬価調査および特定保険医療材料価格調査
[医政局経済課・河野典厚課長補佐]
経済課の課長補佐をしております河野と申します。よろしくお願いいたします。本日は朝9時からの総会で、(木下賢志)経済課長から医薬品価格調査と材料価格の速報について、ご報告させていただきました。
ご案内の通り、医薬品の価格調査については平均乖離率が約8.4%。それから、後発品のシェアにつきましても併せてご報告させていただきましたが、数量ベース20.2%(で、金額ベースで7.7%)という数字をご報告させていただきました。
あと、参考までに速報値の内訳として、内容薬、注射薬、外用薬、歯科用薬剤の乖離率、あるいは「主要薬効群別」として内容薬については、売上の多い上位10品目、注射薬は5品目、外用薬3品目、歯科用薬剤につきまして(1品目を)ご参考にお示ししています。私からの説明は以上です。
▼ 特定保険医療材料価格の平均乖離率は約7.0%。
<質疑応答から>
○ 平均乖離率の金額、改定率ベースに直した場合の数字について
[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
(薬価専門)部会の資料4ページ(平成22年度薬価改定の見込み)を見てください。22年度の薬剤費の見込みが約7.8兆円でございます。(平均乖離率が)8.4%ありますが、調整幅2%分を引くのがルールなので、それを引くと約5000億円の削減になります。
それで、今まで「薬価維持特例」と言っていたもの(新薬創出・適応外薬解消等促進加算・プラス約300億円)、それから先発品の特例引き下げ(マイナス約400億円)、不採算品再算定(プラス約300億円)などの補正が少し入りまして、薬剤費全体としては、このままいきますと約4800億円(約6.2%)の削減で、薬価ベースの改定率で(マイナス)約6.2%でございます。
▼ 「先発品の特例引き下げ等(約400億円)」には市場拡大再算定も含む。
医療費ベースは約1.3%です。これは前回の20年度の削減額よりも大分大きくなっておりまして、実額ベースで見ていただくと、前回約4000億円(約5.2%)だったのが約4800億円の(削減)増額になっています。
○ 保険医療材料について
[保険局医療課・尾崎守正課長補佐]
出していませんが、市場規模ですと1兆円程度ですので、ザックリ言って200(億円の削減)とか、そんなものではないかと思います。
○ 医療費の見込みについて
[保険局医療課・尾崎守正課長補佐]
昨日、政務官がお答えになっていたようですが、36兆5000億円ぐらいです。
▼ 同日の総会では、薬価調査の報告に対する質問や意見はなかった。その後、鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)が民間病院の経営状況などを説明。「救急を行う一般病院では診療報酬の大幅な引き上げが必要」と訴えた。特に意見交換はなく、総会は約25分で終了した。
【目次】
P1 → 総会 ─ 薬価調査および特定保険医療材料価格調査
P2 → 基本問題小委員会① ─ 入院料(7対1入院基本料)
P3 → 基本問題小委員会② ─ 入院料(13対1・15対1入院基本料等)
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 入院料(亜急性期の入院医療の評価)
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置1)
P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置2)
P7 → 基本問題小委員会⑥ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置3)
P8 → 薬価専門部会 ─ 薬価制度改革に向けた論点整理
P9 → 薬価専門部会 ─ 質疑応答(薬価維持特例)