12月2日の中医協 (ブリーフィング)
■ 基本問題小委員会② ─ 入院料(13対1・15対1入院基本料等)
[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
13対1・15対1(入院基本料)について、(資料)9ページの「論点」で説明します。
○ 論点(論点の)1つ目が、「13対1、15対1入院基本料の役割に鑑みて診療報酬上の評価をどう考えるか」ということで、長期入院の問題についてです。
1 一般病棟入院基本料13対1入院基本料、15対1入院基本料の役割に鑑み、診療報酬上の評価をどう考えるか。とくに、長期の入院を行っている患者について、その評価をどう考えるか。2 精神病棟入院基本料について、13対1入院基本料の評価が行われていないが、精神病棟の評価として妥当な評価となっているか。
これは個別の議論が始まる前に、(10月の委員改選)前の体制の中医協(9月18日)で、「慢性期(入院医療の包括評価調査)分科会」の池上(直己)分科会長からご報告いただいた(調査結果の)中にもございました。平成21年3月に医療課で、13対1、15対1の一般病棟の入院基本料を取っている病院の患者調査をしました。その結果を踏まえて解析をいろいろ出させていただいています。(参考)資料34ページ以降になります。
(13対1、15対1病棟で)91日超の患者さんの病像、状態というのがいわゆる「医療療養病棟」に入院している患者さんの病像と似ているのではないかという議論をしていただきました。
慢性期分科会では、「調査の対象が少なすぎて一概に評価できるのか」という議論もありましたし、まあいろいろあったのですが、今回、再度基本問題小委員会でご議論いただきました。(詳しくは8月27日の慢性期分科会を参照)
その結果、「地域によって13対1・15対1でも救急の応需をしている医療機関もあるので、一概に全体を療養病棟という形で評価するのはどうか」という意見が2号(診療)側委員からありました。
1号(支払)側委員からは、療養病棟と一般病棟という医療法上の基本的な考えはあるんだろうけど、支払い方の問題だから一般病棟であっても10対1や7対1のような出来高の支払いという方法だけではなく、「支払い方で変えるという手もあるんじゃないか」という意見もありました。
また、2号(診療)側の委員から「急性期病院のドクターの立場からすると13対1以下の病棟では同じ一般病棟と言っても医療の質、内容が違うので、評価の方法はいろいろあっていいんじゃないか」という意見もあったと思います。
ただし、「(今後)どうしていくか」ということについては、具体的な方向性は宿題と言いますか、もうちょっと整理した上で議論していただくということになったと思っています。今日頂いた指摘事項を整理して、もう一度ご議論頂くということになると思います。
それから、(論点2は)精神病棟入院基本料の13対1(創設)の件です。これは、2号(診療)側の委員からお話がありましたが、総合病院の精神科にとっては10対1と15対1の間に13対1がないということで、「現場の運用として精神病床を維持していくのは難しい実情がある」とのご指摘もありました。
精神医療の見直しについては中医協でも既に1回議論していただいていますので、総合病院的な中における精神科の役割として、合併症の治療など精神疾患と身体疾患の合併のためには総合的な対応ができる病院の評価が必要なので、これについては、この点数(13対1)を創設するということは合意が得られたのではないか。
ただし、要件としては「総合病院」と言いますか、「合併症治療などの役割を明確にして認める」というようなご議論だったと思っています。
【目次】
P1 → 総会 ─ 薬価調査および特定保険医療材料価格調査
P2 → 基本問題小委員会① ─ 入院料(7対1入院基本料)
P3 → 基本問題小委員会② ─ 入院料(13対1・15対1入院基本料等)
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 入院料(亜急性期の入院医療の評価)
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置1)
P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置2)
P7 → 基本問題小委員会⑥ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置3)
P8 → 薬価専門部会 ─ 薬価制度改革に向けた論点整理
P9 → 薬価専門部会 ─ 質疑応答(薬価維持特例)