12月2日の中医協 (ブリーフィング)
■ 薬価専門部会 ─ 薬価制度改革に向けた論点整理
[保険局医療課・磯部総一郎薬剤管理官]
先ほど(総会の説明で)も薬価専門部会関係の話でしたが、たぶん質問が多いと思いますので説明は簡単にしたいと思います。今日は、これまで製薬業界が言っていた「薬価維持特例」をどう扱うかというのが一番の論点でございました。
事務局(保険局医療課)から資料1と2を使って、これまで議論されてきた(薬価維持特例を)何のためにやるのか、そもそも(未承認薬や)適応外薬への対応をどうするのか、財政影響、後発品促進への影響、実施時期などを(事務局が作成した資料で)いろいろとご説明しました。
まとめて言うと、「薬─1」の5ページ、6ページ(新薬創出・適応外薬解消等促進加算のスキーム案のたたき台)の内容を平成22年度に試行的に実施するものとしてやってはどうかというご提案をさせていただいた次第でございます。
「薬価維持特例」の目的は新薬の創出を進め、また適応外薬などの問題を解消していくことですので、名称を「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」と、ちょっと長い名前になりましたが、そういう名称の変更をご提案させていただきました。
それから、その他の論点(資料3・平成22年度薬価制度改革に向けた全体的な論点整理)についても、再算定のときの加算のルールの変更や不採算品の再算定のルールの話ですとか、最低薬価、配合剤等のご提案。最後に、以前、トレリーフという薬について問題となった事例について(原則として原価計算方式で算定し、類似薬比較方式による算定値を上限とする)改善案をご提案しています。
これ(薬価維持特例)について、おおむねご理解が進んだのではないかと思っておりますが、一部、例えば薬価維持特例の実施により、このスキームでやりますと830億円ぐらい掛かるのですが、「ちょっと多すぎるんじゃないか」とかですね。
それから適応外との関係で言いますと、加算をするものが当該薬ではありませんので、企業単位で見ていくことになりますから、そうすると(未承認・適応外解消の)要請を受けている品目を持っている企業と、実際に薬価維持特例の対象となって恩恵を受ける企業とがズレてくる可能性があるので、「そのマッチングはうまくいくのか」とかですね。
それから、(未承認・適応外解消の)要請を受けた品目について開発が十分に進んでいないという場合には加算の不適用を検討するとしても、曖昧な基準ではきちんと対応できないのではないか、明確な基準をつくるべきではないかというご意見もあって、「まだ細部についての調整は必要」ということになりました。
それについて、どんな対応ができるかはこれからですが、そういった点を少し詰めていくということになった次第です。次回については、(12月)9日の水曜日。今日はたたき台を出して、ある程度議論しましたので、業界関係のヒアリングを行う予定でございます。
今日の会議でも、薬価維持特例の話は(資料で十分に説明したので)よろしいかと思うのですが、「薬─3」の資料(平成22年度薬価制度改革に向けた全体的な論点整理)は時間の関係もあって、ちょっとはしょって説明したんですが、「よく分からないから一通りしてくれ」と言うならしますが、質問対応でよろしければ質問対応にさせていただきますが、質問対応のほうがよろしいですかね? (「質問対応」との声あり) 分かりました。それでは、薬価専門部会の説明は以上です。
【目次】
P1 → 総会 ─ 薬価調査および特定保険医療材料価格調査
P2 → 基本問題小委員会① ─ 入院料(7対1入院基本料)
P3 → 基本問題小委員会② ─ 入院料(13対1・15対1入院基本料等)
P4 → 基本問題小委員会③ ─ 入院料(亜急性期の入院医療の評価)
P5 → 基本問題小委員会④ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置1)
P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置2)
P7 → 基本問題小委員会⑥ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置3)
P8 → 薬価専門部会 ─ 薬価制度改革に向けた論点整理
P9 → 薬価専門部会 ─ 質疑応答(薬価維持特例)