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ニュース〜医療の今がわかる

12月2日の中医協 (ブリーフィング) 

■ 基本問題小委員会④ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置1)
 

[保険局医療課・佐々木健課長補佐]
 入院料の最後の話題(は入院基本料を算定する病棟における看護師等の配置について)ですが、「論点」は(資料)15ページです。

○ 論点
1 一つの入院基本料に対し、一つの届出区分としているが、これについてどう考えるか。
 (1) 届出上一つの区分であっても、傾斜配置ができるという運用についてどう考えるか。
 (2) 病棟単位の届出についてどう考えるか。
    病棟単位にするメリット
    病棟単位にするデメリット
     ・ 傾斜配置の弾力性が失われる。
     ・ 届出が複雑になる。

2 多様な勤務形態を推進するための、短時間夜間勤務等の夜勤専従者の取り扱いについてどう考えるか。
3 現行の届出上の緩和措置についてどう考えるか。

 (参考)資料67ページ(病棟種別毎の届出イメージ)を見ていただければ分かると思います。一般病棟と精神病棟を例示しています。

 ▼ 例は300床の病院(50床×6病棟)で、一般病棟が5病棟(入院患者250人)、精神病棟が1病棟(同50人)。現行ルールでは「病棟の種別」ごとに届出を行うので、一般病棟(5病棟)と精神病棟(1病棟)でそれぞれまとめて届出を行う。具体的には、一般病棟は5病棟をまとめて250床として、例えば「10対1入院基本料」を届け出る。精神病棟は1病棟のみ50床として、例えば「精神病棟15対1入院基本料」を届け出る。これに対し、「病棟単位」ごとの届出が認められた場合、一般病棟のA病棟(50床)は「7対1入院基本料」の届出を行い、一般病棟のB病棟(50床)は「10対1入院基本料」を届け出る。

 一般病棟なら同じ(種別ごとに)、例えば「10対1」なら「10対1」、「7対1」なら「7対1」にしてもらって、精神病棟なら「15対1」にしてもらうような形で、病棟の種別ごとに(届出)。「種別」というのは、「一般か精神か」というのが種別です。「種別ごとに同じ看護配置を取ってください」というのを原則にしています。そういうルールになっている。

 それについて今回はしっかり議論していただこうと思って提示させていただいたのは(参考資料の)69ページ(病棟間での傾斜配置の考え方)でございます。要するに「10対1だ」と言っても、すべての病棟を......。(上記の例で言えば)5つの病棟すべてが「10対1」を維持していなければいけないというルールにはもともとしていない。

 例えば、総合病院など大きな病院で考えますと、眼科病棟、皮膚科病棟があって、救急とか外科とか手術後の病棟があって、どこの(看護)配置が大きいか、人手が必要かと言えば、手術(後の病棟)など救急の患者さんが来るような所はかなり手厚く人が配置されていないといけないと思うのですが、実際の現場では看護師さんをある程度「寄せる」というか、「傾斜配置する」ということをやっています。

 それ自体は、我々の解釈上も「当然やっていい」ということ。「(同一種別の病棟)全体として(看護師の)人数が足りていればいい」ということで運用していますが、現場はそういうふうに十分理解していただいていないという面が1つ。あと、2号(診療)側の邉見(公雄)委員だったと思いますが、「そう言われても、なかなかそう急に人を寄せてというのは、あらかじめ決めていないとなかなか難しい」とかですね、そういうご発言があったように記憶しています。
 要するに、(傾斜配置を知っていて)現場でやろうと思ってもそううまくいかない面もあるとかですね、いろいろな事情でできていない病院もあることがちょっと分かりました。

 あと、1号(支払)側の委員から「非常に柔軟に今の仕組みでも十分対応できるのではないか」というご指摘もありましたし、2号(診療)側も、「7対1、10対1をわざわざ(分けて)取らなくても、その中でやりくりしていいというルールがあるのだからそれでいいじゃないですか」という意見が大勢を占めていました。邉見委員が「そうは言っても」という感じだったと思います。(1号・2号)全体としては恐らく「傾斜配置というルールがあることを現場に広く浸透させることが重要ではないか」というご指摘だったと思っています。

 ただ、邉見委員からの指摘だったと思いますが、「そうは言っても地域によっては看護師さんの確保が難しい所もあるので、地域の事情などを勘案して病棟単位で取らせることを考えてはどうか」という意見もありまして、それについては全面的に否定されたとまでは聴き取っていませんので、再度こういう議論は残っているとは思っています。
 基本的には「都心部」「都会」と言いますか、「ある程度看護師さんの確保が特段問題がない」と言いますか、「(傾斜配置を)ある程度やれるような地域」については、この「傾斜配置」という形で対応していただくというようなことかと聴いておりました。すみません、(論点1の)(1)と(2)を混ぜて話しましたが、(論点1)は全体としてそういう議論でした。


【目次】
 P1 → 総会 ─ 薬価調査および特定保険医療材料価格調査
 P2 → 基本問題小委員会① ─ 入院料(7対1入院基本料)
 P3 → 基本問題小委員会② ─ 入院料(13対1・15対1入院基本料等)
 P4 → 基本問題小委員会③ ─ 入院料(亜急性期の入院医療の評価)
 P5 → 基本問題小委員会④ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置1)
 P6 → 基本問題小委員会⑤ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置2)
 P7 → 基本問題小委員会⑥ ─ 入院料(病棟における看護師等の配置3)
 P8 → 薬価専門部会 ─ 薬価制度改革に向けた論点整理
 P9 → 薬価専門部会 ─ 質疑応答(薬価維持特例)

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