財務省との闘い始まっている 足立・厚労政務官 背水の弁
厚生労働省の足立信也大臣政務官は10日夜、都内の会合で挨拶し、「診療報酬を巡って財務省との闘いが始まっている。我々だけ頑張ってもダメ。審議の過程を知っていただいて、参加していただきたい」と医療界の支援を求めた。(川口恭)
この日、慶應大学医学部北里大学講堂で開かれた漢方フォーラムを来賓として訪れ挨拶した。
足立氏の挨拶の中の当該部分は以下の通り。
「今日、来年度予算について財務省と1回目の交渉だった。事業仕分けは皆さんご覧になったと思うが、前政権がつくった補正予算の執行を停止したのは、我々の補正予算の財源にするためであり、事業仕分けで出てきた分はマニフェストに書いてある項目の財源にするために、あれをやっていた。
診療報酬は、概算要求で事項要求になっていた。結果がどうなるか分からないから数値を書けないということで毎回事項要求らしい。事項要求には6項目あって、母子加算、肝炎、扶養手当、障害者自立支援法、診療報酬、協会けんぽの保険料。診療報酬とけんぽは一緒にやらないと解決できないということで今週末から来週頭がヤマになるだろう、前の4項目は今日で決着をつけたいということで、今日、三役どうしで話をした。
診療報酬の引き下げの中には、薬価と実勢価格の差が5000億円ぐらいある。機器についても数百億円。それからジェネリックの推進。皆さんは3つの部分から出てきた費用は当然医療費に使えると思っているかもしれないが、今までは財務省のお召し上げだった。
で、今日の議論の中で、診療報酬とけんぽの問題は議題には出なかったのだが、事項要求の予算は、厚生労働省の予算の中で財源にしてくださいと言うので、では薬価引き下げ分と医療機器の引き下げ分、ジェネリックの推進分から出てきたお金は、全部医療費に使っていいんですねと言ったら、副大臣(野田氏)も政務官(大串氏)も『それはそうでしょ』と言ったので、私は実質上マイナス改定はないと思っている。
しかし、さっきから携帯がジャンジャンかかってきているのだが、今、財務省は全否定に走っている。闘いが始まっている。とりあえず5人(ほかに長浜副大臣、山井政務官)の会合の中でそういうことがあった。
財務省は薬価をもっと下げられるのでないかと言ってきている。それが漢方とか市販薬類似のもの。しかし日本から漢方のエビデンスを出していこうと言っているのに、それはあり得ない。この議論も引き続き診療報酬、協会けんぽの問題とセットでの話になる。