公費で、学校で、打つべき子宮頸がんワクチン がんセンターシンポから
多くの日本人女性が一度は感染を経験していて、しかしほとんどの人は自然治癒している。持続感染している人のごく一部でがん化する。というようなことは、何かで見たか読んだかした記憶がある。そこから、治った人はもう安心なんでしょ? という無意識の思い込みがあった。
素人ながら推測するに、細胞表面の抗体と細胞内部の抗体は種類が異なり、細胞表面には抗原メモリーがないというインフルエンザでも聞いた話が、これにも当てはまるのだろう。もし専門家で解説してくださる方がいたら、ぜひコメント欄にお願いしたい。この辺りの話は、ロハス・メディカル誌の方も使って少し丁寧に説明する必要があるような気もする。
上の勘違いから導き出された第2の「知らなかった」はこれだ。
2)12歳での接種が推奨されているのは、感染者には無力というワクチンの性格上、単に初交前の人に打てば費用対効果は最も高いということに過ぎない。ワクチンは、感染→自然治癒を経験しているような人にも有効であり、定期的に検診を受けるようになる年代以下であれば個人としては接種の意味がある。
それから誤解していたわけではないが、初めてしっかり認識したものとして、12歳女性に全員接種する場合、保険適用すると約210億円の公費負担が必要となるが、その女性たちが全員亡くなるまでの間に約400億円の経済効果(うち医療費節約分は170億円)があり、経済的にも十分見合うという今野教授による分析があった。
これらのこと、皆さんはご存じだっただろうか。「もう知ってたよ」という方は、ぜひ出し惜しみせず身の回りの方に、特に女性に教えていただきたい。今のところ、女性全体(ということは社会全体)の問題という受け止め方がされているようには思えない。
ここからは総合討論の中で「へー」と思ったことをご紹介する。
土屋
「新型インフルエンザについて、小中学生は保健所へ行ってワクチン接種するというような話が出ているが、この中に居住地の保健所がどこにあるかご存じの方はいるか。このように厚生労働省の関係者以外は、ほとんどいない。それなのにこういう政策を立案してしまうのが霞ヶ関の机の前だけに座っている人たちの限界。
ワクチン接種は学校でやるべきと思う。しかし、こういうこと論ずる場で言ったら、皆から言下に否定された。任意で受けるものを学校でやることはできないと。任意とか定期とかは人間が決めたことであって不都合があれば変えればよい。このように自分の身近に気づいたことを1個ずつ潰していかないといけないだろう。
それから、子宮頸がんワクチンは5万円するという。そんなの任意で受ける人はほとんどいない。公費でやるべきだろう」