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ニュース〜医療の今がわかる

公費で、学校で、打つべき子宮頸がんワクチン がんセンターシンポから


 今野
「まさのその通り。日本は貧富の差によって、5万円払って打ってあげられる親御さんの子供だけが子宮頸がんにかからないというような本当に情けない国になりかねない」

 会場(30代女性)
「12歳だけでなくて、私たちのように30代40代の検診に引っかかったような世代にはどうなのか。45歳までは適応があるようだが、先生に『こういうワクチンが出たそうですが私は打ったらいけませんか』と尋ねたら『どうですかね。意味ないんじゃないですかね』という返事だった。実際のところどうなのか」

 今野
「12歳というのは、あくまでも公費で負担するなら、そこが最も効果的ということであって、HPV16とHPV18を持っている人は合わせても10%しかいないのだから、大人に打っても90%の人には有効だ。ただ、がんの発症は若い人に多いので、年齢が上がってもその時点で発症していない人は個人の判断になってくるだろう。医療機関の先生方もまだまだ勉強が足りないと思う。12歳というのは国全体でどれだけ患者を減らせるかという考え方の年齢であって、個人でお金を払っても構わないということであれば受つべきだと思う」

 会場
「それに関連して。持っている人にワクチンを接種するとブースとしてしまうと何かで読んだのだが、その点は大丈夫なのか」

 今野
「巷に本当に間違った情報が流れている。感染している人にワクチンを打っても何も起きない。感染を消すことも促進することもない。ブーストするのだとしたら性交渉の活発な人ほど免疫を持っていることになってしまう。それから持っている人が10%しかいないので、前もって感染を調べるほどの意味もない。大切なのは、プラスして必ず検診も受けること」

 と、最後まで「誤解」の続出するシンポジウムだった。土屋院長は、このシンポジウムをきっかけに、子宮頸がんワクチン接種に対して公費助成を求める署名活動を始めたそうだ。私も、当日署名した。電子署名もできるので、ぜひ身の回りの方々にもお知らせいただきたい。

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